この記事では、2025年現在利用可能なChatGPTの各モデルについて詳しく解説します。OpenAIが提供するGPT-4.5やOpenAI o1(オーワン)シリーズ、そして新登場のGPT-4o(フォーオー)シリーズなど、多彩なモデルのスペックや特徴を比較してみましょう。また、各モデルの使用回数制限やパラメータ数(最大トークン長と日本語文字数の目安)、応答速度、API価格、適した用途、既存のGPT-3.5 TurboやGPT-4との違いも詳しく整理します。さらに、ChatGPT以外の主要なAIであるDeepSeek R1、Google Gemini、Anthropic Claudeとも機能や価格を比較し、それぞれの強み・制限やマルチモーダル対応状況を表形式でまとめます。
それでは、最新のChatGPTモデル事情を一緒に見ていきましょう。
ChatGPTの最新モデル概要
近年、OpenAIはChatGPTに搭載する言語モデルの改良を次々と発表してきました。GPT-3.5 TurboやGPT-4は有名ですが、2024年以降、新たに以下のモデル群が登場しています。
- GPT-4.5(GPT-4 Turbo版とも) – GPT-4を改良した中間モデル。
- OpenAI o1 – 高度な推論能力に特化したモデル(大規模版)。
- OpenAI o1-mini – o1の小型版で高速・低コスト。
- OpenAI o3 – o1の後継となる次世代推論モデルファミリ(大規模版、2025年登場)。
- OpenAI o3-mini – o3世代の小型モデル(高速・高性能な推論モデル)。
- OpenAI o3-mini-high – o3-miniを高推論モードで動作させる高精度設定。
- GPT-4o – “o”は**omni(全方位)**の意味。マルチモーダル対応の次世代大型モデル。
- GPT-4o mini – GPT-4oの小型版モデル。軽量ながらGPT-4並みの知能を持つ。
まずは各モデルのスペックや特徴を個別に見ていき、後ほど比較表で整理します。
GPT-4.5(GPT-4 Turbo)とは?
GPT-4.5は、GPT-4とGPT-5の中間に位置づけられる改良モデルです。2023年後半にGPT-4 Turboとして登場し、ChatGPT Plusユーザ向けに提供されましたcpen.ai。GPT-4.5は従来のGPT-4よりも高速かつ精度向上しており、一部ではGPT-4のマルチモーダル(画像入力対応)版とも言われます。具体的なリリース日は2023年3月14日(GPT-4発表日と同日付け)とされています。GPT-4.5の強化ポイントは以下の通りです。
- 自然な対話:ユーザーの意図をより直感的に理解し、対話がスムーズに。
- 高精度な回答:複雑な質問や高度なタスクでも的確な解答率が向上。
- 誤答の減少:いわゆる幻覚(事実誤認)や不適切な回答が減り、信頼性が向上。
- 応答速度向上:最適化により推論が高速化され、GPT-4よりレスポンスが早い。
- 用途:GPT-4.5は高度な文章生成、プログラミング支援、複雑な問題解決など幅広い用途に適します。
パラメータ数・トークン長について公表はありませんが、GPT-4.5はGPT-4相当の大規模モデルです。GPT-4は推定数千億~1兆規模のパラメータを持つと噂されます。コンテキスト長(入力可能トークン数)はGPT-4同様に8K(8,192トークン)が標準で、拡張版は32Kトークンに及びます。日本語の文字数に換算すると、8Kトークンは約6,000~8,000文字程度(日本語は1トークン≈1文字前後)に相当します。32Kなら約25,000文字程度と、非常に長大な文脈を扱えます。
使用回数制限は当初厳しく、ChatGPT PlusではGPT-4系モデルは3時間あたり25~50メッセージの上限が設定されていました。GPT-4.5も提供初期は1日に50メッセージ程度の制限があったと言われます。その後インフラ改善により上限緩和や撤廃が進み、現在PlusプランではGPT-4.5相当モデルをかなり自由に使える状況です。
API提供もGPT-4 Turbo(4.5相当)として行われました。価格はGPT-4と比べ安価で、2023年末時点で**$0.03/1kトークン(入力)、$0.06/1kトークン(出力)程度でした(GPT-4標準価格の50%引き)。GPT-4.5登場で大幅なコスト削減と高速化**が実現し、手軽に高度なAI機能を利用できるようになりました。
まとめると、GPT-4.5はGPT-4の改良版として位置付けられ、高度な知能と安定性・速度を両立したモデルです。GPT-5ほどのブレイクスルーではないものの、既存アプリケーションの底上げに貢献しました。
OpenAI o1モデル(o1・o1-mini)とは?
OpenAI o1(オーワン)は、OpenAIが推論タスクに特化して開発した新シリーズのAIモデルです。チェーン・オブ・ソート(CoT: Chain-of-Thought)と呼ばれる逐次思考の仕組みを活用し、数学や科学、プログラミングといった論理的思考を要する分野に非常に強い特徴がありますopenrouter.ai。簡単に言えば、**「考えるAI」**と言えるでしょう。
- OpenAI o1は、汎用的な知識を持ちつつも難問に対する深い推論が可能なフラッグシップです。「広範な一般知識を持つ推論モデル」と位置付けられ、画像解析などの視覚的推論にも対応しています。推定パラメータ数は非公開ですが、非常に大規模(GPT-4以上の計算量)と見られます。DeepSeek社の分析ではOpenAI o1の学習には60億ドル規模の投資がかけられたとも推測されています。コンテキスト長は最大128Kトークンと非常に長く、日本語なら10万字超の文脈も処理可能です。
- OpenAI o1-mini(小モデル)は、o1の小型版です。低コスト・低遅延で動作し、日常的なプログラミングや数学問題の解決に適しています。パラメータ数は公開されていませんが、o1の軽量版としてGPT-3.5並みかそれ以下と推測されます。o1と比べ速度が速く、ChatGPT Plusでは1日あたり50メッセージまで利用可能でした。視覚入力は非対応(テキスト専用)です。
OpenAI o1シリーズの強みは、なんといっても高度な論理推論力です。例えば博士課程レベルの科学質問に対する正答率や、数学コンテスト問題(AIME)の高得点など、既存モデルを凌駕する性能を示しています。競技プログラミングの分野でも優れた成績を残し、Codeforces(競プロサイト)で上位に食い込む腕前です。
一方、弱み・制限としては、
- 応答速度:o1は高精度ゆえに応答がやや遅いです。複雑な問題では回答までに時間を要することがあります(その分、じっくり「考えて」います)。
- 汎用対話:知識量は豊富ですが、日常会話や創造的文章生成ではGPTシリーズほど洗練されていない場面もあります。
- 価格・利用枠:o1のAPI利用料金は高価で、入力100万トークンで15ドル、出力100万トークンで60ドルと試算されていますanalyticsvidhya.com(1トークンあたり$0.000015入力/$0.00006出力)。ChatGPT Plusでも週50メッセージまでと利用に上限があります。
とはいえ、OpenAI o1は「難しい問題を解くエキスパート」として他を圧倒するモデルです。特に科学技術計算、学術研究、複雑な計画立案などに最適であり、ChatGPT Enterpriseや研究者にとって心強いツールとなっています。
OpenAI o3モデル(o3・o3-mini)とは?
OpenAI o3(オースリー)は、上記o1の後継となる第3世代の推論特化モデルです。2024年末に一部プレビューが公開され、2025年1月にまず小型版のo3-miniが正式リリースされました。o3シリーズは「より賢く、速く、安価な推論モデル」を目指して開発されており、特に**STEM分野(科学・技術・工学・数学)**での性能向上に焦点を当てています。
- OpenAI o3:記事執筆時点ではプレビュー段階とみられます(一般公開はされていないか限定)。おそらくo1以上の規模で、高度な推論力を備えつつ何らかの改良(例えば効率化や新しい思考アルゴリズム)が盛り込まれていると推測されます。正式な情報は少ないため、ここでは概要のみに留めます。
- OpenAI o3-mini:2025年1月にChatGPT Plus/Pro向けおよびAPI向けに提供開始されたモデルです。これは**「最もコスト効率の良い推論モデル」とうたわれ、高速で高精度な回答を小さな計算資源で実現します。具体的には、科学・数学・コーディング能力が飛躍的に向上し、同じ小型モデルだったo1-miniを大きく凌駕しています。内部アーキテクチャは非公開ですが、一部報道によればパラメータ数約80億とされています。このサイズでありながら、英語以外の多言語対応**にも優れ(数十言語で良好な理解力を発揮)、GPT-3.5 Turboを上回る知能を示します。
o3-miniの性能と特徴:
- 高い問題解決力:数理推論ベンチマークMMLUで**82.0%**という高スコアを記録し、GoogleのGemini FlashやAnthropic Claude Haikuといった他社小型モデルを上回りました。
- コーディングと数学:MGSM(数学推論)で87.0%、HumanEval(コード生成)で87.2%と、小型モデルながら圧倒的な得点を叩き出しています。これらは従来のGPT-3.5や他社モデルを大幅に超える値です。
- マルチモーダル推論:マルチモーダル推論テスト(MMMU)でも**59.4%**とトップクラスで、視覚情報を伴う複雑な推理にも強みを持ちます(※o3-mini自体は画像入力非対応ですが、文章で視覚情報を推論する問題に強いことを示す)。
- 可変の推論モード:o3-miniは推論の深さ(effort)をLow・Medium・Highの3段階で切り替え可能です。難しい問題ではHighモードでじっくり考え、簡単な会話ではLowモードで即答するといった柔軟な使い方ができます。特にHigh設定のo3-miniは、計算量は増えるもののo1大型モデルを凌駕する精度を示しました。このHighモードをChatGPT上で利用できる**「o3-mini-high」**も提供されています。
o3-miniの使い勝手:
ChatGPTではPlusやProユーザがモデル選択メニューから「o3-mini」を選べます。さらにFreeユーザでも「理由を説明」機能でo3-miniを一部試用可能になりました。Plusプランでは1日150メッセージまで利用でき、旧o1-miniの50/日の上限から大幅緩和されました。Proプランなら事実上無制限に近く、高精度の推論を好きなだけ活用できます。
API価格も非常に安価で、OpenAIフォーラムの発表によれば入力100万トークンあたり15セント、出力100万トークンあたり60セントとされています。これは**1トークン当たりわずか$0.00015(入力)/$0.00060(出力)**という破格で、GPT-3.5 Turboより60%以上安いコストです。現状はAPIアクセスは一部の開発者に限定公開されていますが、順次開放が進められています。
制限・留意点:
o3-miniは推論特化のため、画像入力や音声入力を受け付けない点に注意が必要です。視覚が必要な場合はo1を推奨。また、Highモードでは応答が遅くなる場合があります。しかし総じてコスト・速度・知能のバランスが非常に優れており、日々のコーディング支援から高度な研究用途まで幅広く使えるモデルとなっています。
GPT-4oシリーズ(GPT-4o・GPT-4o mini)とは?
GPT-4o(ジーピーティー・フォーオー、通称「フォーオー」)は、OpenAIが2024年に発表した次世代のマルチモーダルAIモデルです。名称の「o」は**omni(全方位)**を意味し、テキスト・画像・音声・動画のあらゆる組み合わせを入力として受け取り、テキスト・音声・画像を出力できる、真に統合された汎用AIモデルとなっています。
- GPT-4o(大型モデル): ChatGPTの新たなフラッグシップと言えるモデルで、GPT-4 Turboに匹敵するテキスト性能を持ちながら、非英語(多言語)の処理で大きな改善が見られます。特に日本語など非英語での応答精度はGPT-4より向上しており、翻訳や要約が一段と自然になりました。またビジョン(視覚)と音声理解が飛躍的に強化されており、画像や音声を直接理解して320ミリ秒程度(平均)という人間並みの反応速度で応答できます。例えば、音声で質問すれば音声で答え、写真を見せて質問すれば内容を理解して回答する、といった高度な対話が可能です。コンテキスト長は驚異の128Kトークンで、約10万字以上の履歴を一度に処理でき、複数時間分の会話ログや本一冊分のテキストも保持できます。
- GPT-4o mini(小型モデル): GPT-4oの圧倒的能力を小型・低コストで実現したモデルです。2024年7月に公開され、GPT-3.5 Turboを置き換える新たな標準となりました。GPT-4o miniはパラメータ数約80億と推定されますが、OpenAI独自の蒸留・最適化によりGPT-3.5 Turboより高い知能を発揮します。またマルチモーダル対応で画像入力にも対応しており、将来的には音声・動画入出力にも対応予定とされています。2024年7月以降、ChatGPTのフリープランも含めGPT-4o miniがデフォルトモデルとして導入され、ユーザーは何もせずとも品質向上の恩恵を受けられるようになりました。
GPT-4oシリーズの特徴:
- 汎用性と高性能:GPT-4oはテキストではGPT-4(Turbo)同等、非英語ではそれ以上の性能を持ち、50%もAPI利用コストが安いという効率性も兼ね備えます。視覚と音声理解も加わり、対話体験がより人間に近づきました。
- リアルタイム対話:音声入力に対する応答は平均0.32秒と人間の会話の反応時間に近く、例えばユーザーが話し終えると同時にChatGPTから音声回答が返ってくるようなシームレスな対話が可能です。
- GPT-4o miniのコスパ:GPT-4o miniはGPT-3.5 Turboより60%以上低コストでありながら、それ以上に賢く高速です。OpenAIはGPT-4o miniの用途として、大量のコンテキスト処理(チャット履歴全体を読んだ上での応答など)や複数モデル併用時の並列実行、リアルタイム対話システムなどを挙げています。まさに**「安価で高性能なAI」**として様々なサービスに組み込みやすくなりました。
使用上のポイント:
GPT-4oはChatGPTではProプランで優先的に利用でき、Plusでは一部機能限定で提供されます。GPT-4o miniは前述の通り全ユーザがデフォルトで利用可能となっています。ProプランではGPT-4o系列もほぼ無制限に使えます。APIではGPT-4oおよびminiの利用が進んでおり、Azure経由の提供価格は以下の通りです。
モデル | コンテキスト長 | 入力価格(1,000トークン) | 出力価格(1,000トークン) |
---|---|---|---|
GPT-4o | 128K | $0.005 ($5/100万) | $0.015 ($15/100万) |
GPT-4o mini | 128K | $0.00015 ($0.15/100万) | $0.0006 ($0.60/100万) |
※GPT-4o miniはリージョンによって若干価格差あり(上表はグローバル標準料金)。
見てわかる通り、GPT-4o miniの価格はGPT-4oの1/33程度という驚異的な安さで、GPT-4oはGPT-4に比べても大幅に低価格です。つまり性能を上げつつ費用は下げるという理想的な改善が実現されています。
マルチモーダル対応:
GPT-4oはテキスト・画像・音声入力にネイティブ対応しています。ChatGPTアプリでは画像を送り分析させたり、マイク入力で直接質問したりが可能です。出力もテキストはもちろん、画像生成や音声での回答もできます(DALL-EやVocalモデルの統合)。GPT-4o miniも現在はテキスト&画像に対応しており、例えばフリーユーザでも画像をアップして説明を求めることができます。音声と動画についてはGPT-4oシリーズで順次対応予定とされています。
適した用途:
GPT-4oはあらゆる用途に対応できますが、特にマルチモーダルな対話エージェント、多言語のカスタマーサポート、大規模文書の理解と要約、複雑な指示の実行などに強みを発揮します。GPT-4o miniはリアルタイム処理や大量リクエスト処理、モバイルデバイス組み込みなどリソース制約下でのAI活用に向いています。実際、GPT-4o miniはスマホやIoT機器でも動作可能なサイズで、エッジ側AIとしても注目されています。
以上、主要なChatGPT内部モデルの概要を紹介しました。それでは次に、これらモデルを一覧表で比較し、違いや性能差を明確にしてみましょう。
ChatGPTモデル比較表(GPT-3.5/GPT-4/新モデル)
以下は、既存のChatGPT主要モデルと新モデルをスペック面で比較した表です。各モデルのパラメータ規模(推定)、最大トークン長(日本語文字数目安)、マルチモーダル対応、応答速度、API価格、ChatGPTでの利用上限、適した用途をまとめています。
モデル名 | パラメータ規模 <br> (推定値) | 最大トークン長 <br>(日本語文字数) | マルチモーダル対応 | 応答速度の目安 | API価格(1kトークン) | ChatGPT使用上限 | 主な用途・特徴 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
GPT-3.5 Turbo | ~1750億 (175B) | 約4K トークン (〜3000文字) | テキストのみ | ★★★☆ (高速) | $0.0015 入力 $0.002 出力 | 無制限(Free可) | 一般的な会話、文章生成、日常タスク全般 |
GPT-4 | 非公開 (数千億〜1兆?) | 標準8K / 拡張32K (〜6000字 / 25000字) | テキスト + 一部画像入力(β) | ★★☆☆ (やや遅) | $0.03 入力 $0.06 出力 | Plusで1日50程度 | 高度な推論、創造的文章、大規模テキスト処理 |
GPT-4.5 (GPT-4 Turbo) | 非公開 (GPT-4改良版) | 8K / 32K (〜6000字 / 25000字) | テキスト + 画像入力 | ★★★☆ (GPT-4比高速) | $0.015 入力 $0.03 出力 (推定) | Plusでほぼ無制限 | GPT-4の強化版。汎用対話から専門タスクまで全般 |
OpenAI o1 | 非公開 (極めて大規模) | 128K (推定) (10万字以上) | テキスト + 画像入力可 | ★★☆☆ (熟考する) | $0.015 入力 $0.06 出力 | Plus: 週50まで Pro: 無制限 | 高度な論理・数学・科学推論に最適 |
OpenAI o1-mini | 非公開 (中規模) | 32K 程度 (2〜3万字) | テキストのみ | ★★★★ (高速) | 非公開 (GPT-3.5並み?) | Plus: 日50まで | o1の軽量版。高速応答で日常のコーディング・Q&A |
OpenAI o3-mini | ~80億 (8B) | 128K (10万字以上) | テキストのみ | ★★★★ (高速) | $0.00015 入力 $0.0006 出力 | Plus: 日150まで Free: 部分利用可 | 最先端の小型推論モデル。数学・コード◎ |
o3-mini-high | ~80億 (同上) | 128K (同上) | テキストのみ | ★★☆☆ (低速) | 同上 (処理量増) | Plus/Pro限定 | o3-miniを高推論モードで実行。難問を高精度解決 |
GPT-4o mini | ~80億 (8B) | 128K (10万字以上) | テキスト + 画像入力 (将来: 音声) | ★★★★ (高速) | $0.00015 入力 $0.0006 出力 | 無制限(全ユーザ) | コスパ最強の汎用モデル。ChatGPT既定モデル |
GPT-4o | 非公開 (大型) | 128K (10万字以上) | テキスト + 画像・音声入出力 | ★★★☆ (高速) | $0.005 入力 $0.015 出力 | Proプランで優先利用 | マルチモーダルAIの決定版。高度対話と解析全般 |
※応答速度は★4が高速、★1が遅めのイメージです(GPT-4基準)。価格はOpenAI公式レート(2024年時点)で記載。ChatGPT使用上限は執筆時点の目安です。
上記比較から、各モデルの位置付けを整理しましょう。
- GPT-3.5 Turboは速度と手軽さに優れた従来型モデル。対話や文章生成の標準として機能します。
- GPT-4は知能が高いものの応答がやや遅く、Plus限定の上位モデルでした。
- GPT-4.5はGPT-4を洗練し、速度と精度を改善した中間アップデート版です。
- OpenAI o1は推論特化のエキスパートAIで、難問解決に威力を発揮します。
- OpenAI o3-miniは軽量ながら推論力抜群で、今後推論系モデルの主力となる存在です。
- GPT-4o miniはChatGPTの新たな標準モデルとして、従来のGPT-3.5を置き換えました。
- GPT-4oはすべてを取り込んだ次世代フラッグシップで、マルチモーダルAI時代の幕開けを感じさせます。
それでは次に、ChatGPT以外の主要なAIモデルであるDeepSeek R1、Google Gemini、Anthropic Claudeとの比較を行います。それぞれ開発元も特徴も異なるAIですが、最新モデル同士の性能や機能を把握しておくことは重要です。以下で各モデルの強み・弱み、価格、API提供の有無、マルチモーダル対応などをまとめます。
ChatGPT vs 他AIモデル主要比較
OpenAIのChatGPT系列(GPT-4oやoシリーズ)と並び、AI界にはDeepSeek、Gemini、Claudeといった注目モデルがあります。それぞれ特徴が異なりますので、まず簡単に概要を紹介します。
- DeepSeek R1 – オープンソースの大型モデル。6710億(※Mixture of Expertsで実働370億)ものパラメータを持ち、CoT推論でOpenAI o1に匹敵する性能を達成したとされる。低予算で開発され、MITライセンスで自由利用可能。
- Google Gemini – Google/DeepMindの次世代LLM。AlphaGoのノウハウも取り入れ、「Gemini 1.5 Pro」「Gemini 1.5 Flash」など複数のスケールで提供。Gemini Flashは800万トークンもの長大なコンテキストを扱え低価格な小型版、Gemini Proは多言語・視覚対応の巨大モデル。
- Anthropic Claude – Anthropic社の対話特化AI。人間の価値観に沿うよう調整されたConstitutional AIが特徴。最新のClaude 3.5 (Sonnet)や廉価版Claude 3 (Haiku)があり、最大100万トークン級の文脈対応や安全性の高さで定評。特に長文要約やビジネス文書生成で人気。
では、これらをChatGPT側モデルと比較した表を示します。
ChatGPT(OpenAI) vs DeepSeek vs Gemini vs Claude 比較表
モデル (提供元) | 強み・得意分野 | 弱み・制限 | 使用回数制限・API価格 | API提供 | マルチモーダル対応 |
---|---|---|---|---|---|
GPT-4o (OpenAI) | – 総合力トップ: テキスト対話でGPT-4水準、非英語も◎ – マルチモーダル: 画像・音声理解と出力に対応 – 長文上下文: 128Kトークンで超長文も処理 | – 商用: オープンではなくBlackBox(内部構造非公開) – 高リソース: ローカル実行は困難、クラウド依存 – Plus/Pro限定機能: 一般にはフル機能利用に課金必要 | – ChatGPT: Proで無制限、Plusは機能限定 – API: $0.005/1k 入, $0.015/1k 出(安価) – 制限: 商用利用はOpenAI規約準拠 | ○ (要申請 tiers制) | テキスト+画像+音声 (出力も画像/音声可) |
OpenAI o3-mini (OpenAI) | – 推論に特化: 数学・科学・コードで高精度 – 高速&低コスト: GPT-3.5より安価で応答も速い – 可変推論: 問題難度に応じ思考深度調節可 | – 視覚非対応: テキスト専用(画像理解は不可) – 公開度: モデル詳細非公開(クローズドソース) – 提供範囲: 2025年初時点ではPlus/Proと一部APIのみ | – ChatGPT: Plus日150まで、Free一部試用可 – API: $0.00015/1k 入, $0.0006/1k 出(超安価) – 制限: 逐次リリース中(一部Tierに提供) | △ (一部開放段階) | テキストのみ |
DeepSeek R1 (Open-source) | – 完全オープン: 重量級モデルをMITライセンス公開 – 低コスト運用: 無料チャット提供+独自APIも格安 – 推論特化: CoTでo1に匹敵。数学(79.8%)やSWEベンチで最先端 – 軽量化工夫: 671B中37Bのみ活性化=効率運用 | – メモリ要件: ローカル実行にGPU多数(数十GB以上VRAM) – 多言語: 学習データの偏りにより非英語性能は未知数 – サポート: コミュニティ頼りで自己解決が必要 | – Chat: DeepSeek公式Webで無料利用可 – API: 基本無料(現在プロモーション中) – 制限: なし(オープンゆえ利用者側で管理) | ○ (REST API提供) | テキストのみ |
Google Gemini (Google/DeepMind) | – Google資源: 巨大知識グラフ&検索との連携強み – 複数モデル: 用途別にPro(高性能)とFlash(低コスト) – 長文コンテキスト: Flash版で最大100万~200万トークン入力対応 – 多言語&視覚: 100言語以上+画像認識可能 | – 非公開モデル: 内部構造や学習詳細は非公開 – 統合環境限定: 利用はGoogle Cloud上 (AI Studio等) – 価格階層: コンテキスト長で料金変動(大入力時高価) | – 提供: Vertex AIで提供。Flash版 $0.000075/1k入 (小入力) – 価格: Gemini Flash (Prompt<128K) 入$0.000075/出$0.00030 Gemini Pro 公表少 (GPT-4並み?) – 制限: Google Cloud契約下で使用 | ○ (Google Cloud) | テキスト+画像 (音声: 未公表、将来検討) |
Anthropic Claude (Anthropic) | – 安全志向: コンスティテューショナルAIで有害出力抑制 – 長文特化: 100K~1Mトークンの長文処理(大量文書の要約)に強み – 対話調整: 人間のフィードバック重視でチャット自然 – 速度: Haiku版は非常に応答高速 | – 知識最新性: オフライン学習のため新情報には弱い – コード: プログラミング性能はGPT系に一歩劣る場面も – 視覚非対応: テキスト会話特化、画像・音声入力不可 | – 提供: API提供中(OpenAI鍵不要) – 価格: Claude 3 Haiku $0.00025/1k入 $0.00125/1k出 Claude 3.5 Sonnet (大) 推定$0.003/0.009/1k程度 – 制限: 商用API月額あり (Amazon Bedrock等経由) | ○ (商用契約) | テキストのみ (将来画像対応の噂) |
注: 上記は一般的な比較のため多少簡略化しています。Geminiの価格はGoogle Cloud (2024)公表値、Claudeの値はAnthropic提供の小型モデル例。DeepSeekはオープンソース版の情報を基に記載。
表から分かるように、各モデルごとに個性があります。OpenAIのモデルは総合力と安定性で優れ、DeepSeekはオープンでコスパ最高、Geminiは圧倒的文脈長とGoogleエコシステム、Claudeは安全対話と長文要約に強みを持ちます。
各モデルの強みと制限まとめ
- ChatGPT (GPT-4o & o3-mini): マルチモーダル対応や推論特化モデルを揃え、万能型AIとしてリード。ただしクローズドなためモデル詳細が不透明で、利用にはOpenAIのサービスに依存します。
- DeepSeek R1: 完全自由に使える大規模AIで、性能も商用大モデルに迫ります。AI民主化の象徴ですが、使いこなすには技術知識が必要で、サポート体制も限定的です。
- Google Gemini: 超長文コンテキストとGoogleのデータ資産を活かしたモデル。企業利用では強力ですが、Googleクラウド上のみで閉じた環境です。視覚も扱える点でGPT-4oに対抗します。
- Anthropic Claude: 安心・安全なAI秘書というイメージ。会社のレポート作成やメール文面生成などに適した落ち着いた性能です。極端なマルチモーダル性は無いものの、大容量のテキスト処理ではGPT-4oにも引けを取りません。
現在のところ、ChatGPT (OpenAI)が総合力で一歩リードしている印象ですが、DeepSeekの台頭やGoogle/Anthropicの巻き返しも注目されています。特にDeepSeek R1 vs OpenAI o1の比較では、DeepSeekが**「わずか600万ドルの予算で60億ドルの成果に匹敵」と評されており、小規模チームでも世界トップクラスのモデルを生み出せる時代が来ています。GoogleのGeminiも100万トークンの文脈を低価格で扱え、Claudeは長文の読み書き**で独自のポジションを築いています。
今後は、これらモデル同士が切磋琢磨することで、ユーザーは用途に応じて最適なAIを選べるようになるでしょう。例えば、「画像も含めて何でも答えてほしい」ならGPT-4o、「科学計算や証明をがっつりやりたい」ならOpenAI oシリーズかDeepSeek、「大容量テキストを安価に処理したい」ならGemini Flash、「丁寧で安全な文章作成アシスタントが欲しい」ならClaude、といった具合です。
技術の進歩は目覚ましく、新モデルも続々登場する見込みですが、2025年現在の主要AIの特徴を押さえておくことで、適切な活用と今後の展開への備えができるでしょう。
GPT-4oとGPT-4.5はどう違う?性能・価格・用途を詳しく比較
2025年に登場した最新モデル GPT-4o と、その前身である GPT-4.5(GPT-4 Turbo) は、どちらもOpenAIの最先端モデルですが、具体的に何が異なり、どちらを使うべきか迷っている方も多いのではないでしょうか。
ここでは、GPT-4oとGPT-4.5を項目別に詳細に比較し、それぞれどんな場面に適しているのかを明確に整理します。
GPT-4oとGPT-4.5の基本的な違いとは?
まず、両者のモデル概要を比較すると以下のようになります。
項目 | GPT-4o | GPT-4.5(GPT-4 Turbo) |
---|---|---|
公開日 | 2024年11月 | 2023年3月14日 |
モデルタイプ | マルチモーダル(テキスト・画像・音声) | テキスト+画像入力(限定的・ベータ) |
応答速度 | 非常に高速(約0.3秒) | GPT-4より高速(中速) |
推定パラメータ数 | 非公開(数千億~1兆規模推定) | 非公開(GPT-4同等推定) |
最大トークン長 | 128Kトークン(約10万文字超) | 標準8K・最大32Kトークン(最大約25,000字) |
マルチモーダル対応 | テキスト+画像+音声入出力対応 | テキスト+画像入力(音声は未対応) |
応答速度 | 平均320ミリ秒(非常に高速) | 数秒~十秒(比較的速い) |
API価格(1kトークンあたり) | 入力 $0.005 出力 $0.015 | 入力 $0.015(推定) 出力 $0.03(推定) |
利用可能プラン | Proでは無制限・Plusは一部限定提供 | Plusではほぼ無制限(実質自由) |
GPT-4oは「GPT-4 Omni(オムニ)」を意味し、「すべてのモードに対応したAI」として、テキストに加えて画像や音声など、複数の形式を同時に処理できます。対してGPT-4.5(GPT-4 Turbo)は、GPT-4を軽量化・最適化したモデルであり、主にテキスト・画像入力に対応していますが、音声入力・出力まではカバーしていません。
GPT-4oはマルチモーダルに完全対応
GPT-4oの最大の特徴は、次世代のマルチモーダル対応です。具体的には次のような処理が可能です。
- 画像入力:写真やスクリーンショットを読み取り、視覚的内容を把握して回答できます。
- 音声入出力:音声による質問を即座に理解し、音声で返答できる高度な音声対話が実現可能です。
- 超高速なレスポンス:平均約320ミリ秒と、人間とリアルタイムで会話が成立します。
GPT-4.5(GPT-4 Turbo)も画像入力を一部サポートしていますが、音声の直接処理には対応していません。また応答速度については、GPT-4oのほうがさらに圧倒的に速く、人間並みのリアルタイム反応を実現しています。
日本語を含む多言語性能の違いは?
GPT-4oのもう一つの進化点は、日本語を含めた多言語処理能力が飛躍的に向上したことです。GPT-4では英語以外の言語での性能がやや不十分でしたが、GPT-4oでは以下のように改善されました。
- 日本語の自然さ・翻訳精度が大幅に向上。
- 日本語を含む多言語混在の会話でも精度が高い。
一方、GPT-4.5もGPT-4より多言語対応が改善されていますが、GPT-4oには及ばない状況です。
用途ごとの選び方と使い分け
用途別にどちらが向いているか整理すると次の通りです。
- リアルタイム会話(音声)やマルチメディア対応が必要 → GPT-4o推奨
音声で即座に応答が欲しい場合や画像入力が頻繁な用途(例えばスマートデバイス連携など)ではGPT-4oが圧倒的に優れています。 - コストを抑えて高速に大量の高度テキスト処理をしたい → GPT-4.5推奨
GPT-4oほどの多モーダル能力が不要で、テキストベースで高速かつ比較的安価に処理したい場合は、GPT-4.5(GPT-4 Turbo)が良い選択です。API価格はGPT-4の半分程度に設定されているため、高品質な応答を安価に得られます。
GPT-4oとGPT-4.5、それぞれのベストユースケースまとめ
最後に具体的にどのようなケースでどちらを選べばよいか、用途別に整理しておきます。
用途・目的 | 推奨モデル |
---|---|
音声入出力を活用したリアルタイム対話 | GPT-4o |
画像やスクリーンショットを含む対話 | GPT-4o |
複数言語を高精度に扱う | GPT-4o |
長文(10万字超)の要約・分析 | GPT-4o |
コストを抑えつつ高品質テキスト生成 | GPT-4.5 |
比較的高速で安定した一般的な会話・Q&A | GPT-4.5 |
プログラミング支援や論理推論が主目的 | GPT-4o(oシリーズも選択肢) |
料金比較(API利用時)
API利用料金の比較を以下にまとめました。
モデル | 入力料金/1kトークン | 出力料金 |
---|---|---|
GPT-4o | $0.005(約0.75円) | $0.015(約1.8円) |
GPT-4.5(GPT-4 Turbo) | $0.015(推定) | $0.03(推定) |
GPT-4oは圧倒的にコスト効率が良く、GPT-4.5と比べても非常にお得です。GPT-4o miniはさらに安価であり、小規模用途に最適ですが、本格的な性能を求める場合はGPT-4oの採用をおすすめします。
まとめ:GPT-4oかGPT-4.5かどちらを使うべき?
まとめると、以下のような使い分けが推奨されます。
- GPT-4o:マルチモーダル・超高速・低価格の最先端フラッグシップモデル。今後の標準となる万能型AIとして、あらゆる用途に広く推奨。
- GPT-4.5:従来のGPT-4を高速化・低価格化した実用的モデル。マルチモーダル用途が限られるテキストベースの利用で、現時点での安定選択。
結論としては、特別な理由がない限り、今後はGPT-4oを中心に利用していくのが効率的かつ快適でしょう。一方、既存システムやシンプルな用途ではGPT-4.5も引き続き活用価値があります。利用目的や予算に応じて最適なモデルを選択してくださいね。
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