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DEERC 300Eレビュー:時速60km/hは嘘?3時間遊べたバッテリーの真実と圧倒的性能を徹底解説

DEERC 300E 60km AIで調べてみた
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最近のホビーラジコンって、なんだかすごいことになっていますよね。特に「DEERC」というメーカーの勢いはすさまじく、その中でも「300E」というマシンが気になっている方も多いのではないでしょうか。時速60km/hを謳うその性能、箱出しですぐに遊べる手軽さ。でも、そのスペックって本当なの?バッテリーは実際どのくらい持つの?そんな誰もが抱くであろう疑問に、ぼくが実際にDEERC 300Eを徹底的に遊び倒して見えてきた「真実」を、余すところなくお伝えしたいと思います。この記事は、単なるスペック紹介ではありません。購入前の期待と、それを良い意味で裏切ってくれた驚きの連続、そしてリアルな体験から得られた知見を詰め込んだ、超ロングな実践的レビューです。DEERC 300Eの購入を迷っているあなたの、最後のひと押しになれば嬉しいです。

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  1. まず知りたい!DEERC 300Eってどんなマシン?
    1. 「ブラシレスモーター」がもたらす異次元の体験
  2. 時速60km/hの衝撃!カタログスペックは誇大広告じゃなかった
    1. 「キュイーーーン!」異次元の加速が疑いを吹き飛ばす
    2. スケールスピードという魔法
  3. バッテリーの謎:公称20分のはずが、なぜ3時間も遊べたのか?
    1. 「走行時間20分」の本当の意味
    2. 休憩がマシンを救う!
  4. リアルな使い勝手と、知っておきたいポイント
    1. 送信機に必要な電池の話
    2. オフロードの宿命?豪快すぎる走りの代償とメンテナンス
  5. まとめ:DEERC 300Eは「買い」か?
  6. DEERC 300E 番外編 このマシンの欠点
    1. 欠点①:アスファルトの悲劇!時速60km/hからの急ハンドルは即転倒
      1. ゴロゴロゴロゴロ―――ッ!華麗なる側転の嵐
      2. なぜ転ぶ?犯人は「高すぎるグリップ力」
      3. 転倒を防ぎ、アスファルトを制する2つの操縦術
    2. 欠点②:「草刈り機」再び?1/18スケールが直面する背の高い草原という名の壁
      1. 草の海に挑む小さな勇者
      2. 遅くなる、だが止まらない!草を「ぶった切る」という最終兵器
    3. 欠点③:じゃじゃ馬の憂鬱「狭い日本では、本気が出せねぇ…」
      1. 1秒で終わる全力疾走
      2. 楽園との出会い、そしてじゃじゃ馬の歓喜
    4. 欠点④:設計者出てこい!バッテリー固定方法が原始的すぎる問題
      1. まさかの「斜め置き」からの「マジックテープでグルグル巻き」
      2. 設計思想を勝手に考察してみる

まず知りたい!DEERC 300Eってどんなマシン?

このマシンが気になっている皆さんが、まず最初に知りたいのは「DEERC 300Eって、一体何者なの?」という部分だと思います。ぼくも最初は、たくさんあるDEERCのラインナップの中で、この300Eがどういう位置づけのマシンなのか、ハッキリとは分かっていませんでした。

DEERC 300Eは、ひと言でいうと**「1/18スケールの四輪駆動(4WD)オフロードラジコン」です。そして最大の特徴は、このクラスの価格帯では驚異的ともいえる「ブラシレスモーター」**を標準で搭載している点にあります。ラジコンに少し詳しい方なら、この「ブラシレスモーター」という言葉だけで、その秘めたるポテンシャルに気づくかもしれませんね。一般的なトイラジコンに多い「ブラシモーター」とは一線を画す、高出力・高効率・長寿命が魅力の本格的なモーターなんです。この強力な心臓部のおかげで、DEERC 300Eは息をのむようなスピードとパワーを発揮します。

スペック項目内容備考
スケール1/18小さすぎず大きすぎず、日本の公園などでも遊びやすいサイズ感です。
駆動方式四輪駆動(4WD)悪路での走破性が高く、安定した力強い走りを実現します。
モーターブラシレスモーター高出力でメンテナンスフリー。パワフルな加速感の源です。
最高速度約60km/hメーカー公称値。この速度の真実については後ほど詳しく解説します。
送信機2.4GHz ホイラープロポ混線の心配が少なく、スピード調整(スロットルデュアルレート)も可能です。
サスペンション4輪独立懸架路面の凹凸をしっかり吸収し、タイヤの接地性を高めます。
ダンパーオイルダンパースプリングだけのサスペンションとは違い、衝撃吸収性に優れます。

これらのスペックを見るだけでも、DEERC 300Eが単なる「おもちゃのラジコン」ではない、いわゆる「ホビーグレード」と呼ばれる本格的なマシンであることがわかります。RTR(Ready to Run)モデルなので、箱から出してバッテリーを充電すればすぐに遊べる手軽さも兼ね備えており、まさにホビーラジコン入門の決定版ともいえる一台なんです。 (>>ぼくが購入したDEERC 300Eはこちら

「ブラシレスモーター」がもたらす異次元の体験

DEERC 300Eを語る上で絶対に外せないのが、心臓部であるブラシレスモーターの存在です。ここでは少しだけ、そのすごさについて補足させてください。

ラジコンのモーターには、大きく分けて「ブラシモーター」と「ブラシレスモーター」の2種類があります。トイラジコンや安価なホビーラジコンの多くは、構造がシンプルでコストの安いブラシモーターを採用しています。しかし、ブラシモーターは内部の「ブラシ」という部品が物理的に接触して摩耗するため、寿命が短く、性能もそこそこという弱点がありました。

一方、ブラシレスモーターは、その名の通り摩耗するブラシが存在しません。電子回路(ESC – Electronic Speed Controllerの略)でモーターの回転を制御するため、エネルギー効率が非常に良く、圧倒的なパワーとスピードを生み出します。さらに、メンテナンスフリーで寿命が長いというメリットもあります。かつては高価で、一部の上級者向けモデルにしか搭載されていませんでしたが、技術の進歩により、DEERC 300Eのような価格帯のマシンにも搭載されるようになりました。このブラシレスモーターこそが、DEERC 300Eを「ただのラジコン」ではない、特別な存在に押し上げている核心部分なのです。

時速60km/hの衝撃!カタログスペックは誇大広告じゃなかった

さて、ここからが本題です。DEERC 300Eの箱や商品説明には、デカデカと「最高速度60km/h」と書かれています。正直、これを最初に見た時、ぼくは少しだけ疑いの気持ちを持っていました。「いやいや、いくらなんでも盛りすぎでしょ」と。

考えてみれば当然で、ぼくたちは普段、自動車の運転席で速度メーターを見ているから「時速60km/h」がどのくらいか分かります。でも、外から走っている車を見て、その速度を正確に言い当てるのは至難の業です。ましてや、それが手のひらに乗るサイズのラジコンとなれば、なおさらピンときません。だから、この「60km/h」という数字も、ちょっとしたセールストーク、いわゆる誇大広告の類いだと思っていたんです。しかし、その考えは最初の走行で、木っ端微塵に打ち砕かれることになります。

「キュイーーーン!」異次元の加速が疑いを吹き飛ばす

バッテリーの充電を終え、公園の広い場所にDEERC 300Eを置く。そして、送信機(プロポ)のスロットルトリガーを、ほんの少しだけ引いてみました。その瞬間、ぼくの耳に飛び込んできたのは「キュイーーーン!」という、まるでジェット機のような甲高い高周波音。これが、ブラシレスモーターの咆哮でした。

そして、トリガーをぐっと握り込むと、信じられない光景が広がります。全長わずか27cmほどの小さな車体が、文字通り「弾丸」のように猛烈な加速を開始。あっという間に視界の彼方へ消し飛んでいきそうな勢いです。これはもう、笑うしかありませんでした。「速い」という言葉では表現しきれない、暴力的なまでの加速感。その時、ぼくの疑いは確信に変わりました。「これ、絶対に60km/h出てる!」と。

この写真を見てください。砂利の上をパワフルなドリフトで駆け抜ける勇姿です。後輪が巻き上げる砂煙の量が、そのパワーを物語っていますよね。静止画なのに、猛烈なスピード感が伝わってきませんか?

スケールスピードという魔法

なぜ、こんなにも速く感じるのでしょうか。その理由の一つに「スケールスピード」という考え方があります。これは、ラジコンのスケール(縮尺)を考慮して、体感速度を計算する方法です。

DEERC 300Eは1/18スケールなので、計算上はこうなります。 60km/h×18=1080km/h

もちろん、これは単純計算上の話ですが、1/18サイズの車が目の前を時速60km/hで駆け抜けるということは、人間サイズの視点から見ると、あたかも実車が時速1000km/h以上で疾走しているかのように見える、ということです。だからこそ、その体感速度は想像を絶するものになり、脳が「ありえない速さだ!」と認識するんですね。この圧倒的なスピード体験こそ、DEERC 300Eが持つ最大の魅力の一つだと、ぼくは断言します。

片輪が浮き上がるほどの激しいコーナリング。このマシンの運動性能の高さがうかがえます。こんなアクロバティックな動きが、箱出しの状態で誰でも簡単にできてしまうんですから、本当にすごい時代になったものです。

バッテリーの謎:公称20分のはずが、なぜ3時間も遊べたのか?

DEERC 300Eのもう一つの大きな魅力、それはバッテリー性能です。商品説明には「バッテリー2個付属」「1個あたり約20分、合計約40分の走行が可能」と書かれています。これもまた、ユーザーにとっては非常に嬉しいポイントですよね。

ぼくは、このマシンで一日中遊びたいと思い、純正のバッテリーを追加で1個購入しました。つまり、合計3個のバッテリーを用意して、その実力を試してみることにしたんです。そして、その結果はまたしても、ぼくの予想を遥かに超える、驚くべきものでした。

ある晴れた日、朝の10時15分からDEERC 300Eを走らせ始めました。途中でバッテリーを交換しながら、夢中になって遊び続けました。もちろん、走りっぱなしというわけではありません。夏の炎天下だったので、汗を拭いたり、日陰に移動して水分補給をしたり、といった短い休憩は挟んでいます。でも、お昼ご飯のような長時間の休憩は一切取っていません。そして、時計が13時15分を指した時、3個目のバッテリーがようやく力尽きました。

…ん?10時15分から、13時15分まで? 計算してみると、なんと3時間も遊べていたことになります。 公称スペックでは、1個20分 × 3個 = 60分(1時間)のはず。それが、なぜ3倍もの時間、遊ぶことができたのでしょうか?これには、ラジコンのバッテリー性能を語る上での、非常に重要な「カラクリ」が隠されていました。

「走行時間20分」の本当の意味

ぼくは当初、「走行時間」という言葉の解釈を少し間違っていました。「最大20分」と書かれていると、それは「理想的な条件で、一番長く持った場合の最高の記録」だと考えるのが一般的ですよね。でも、DEERC 300Eに関しては、その逆だったんです。

メーカーが提示する「約20分」という時間は、おそらく**「常にフルスロットルで、モーターに最も負荷がかかるような走り方を続けた場合の、最短に近い時間」**を示しているのだと、ぼくは結論付けました。なぜなら、メーカーとしては、ユーザーが一番アグレッシブに遊んだ時に「20分も持たないじゃないか!」とがっかりさせないための、いわば誠実な「最低保証ライン」に近い数値を提示しているのではないでしょうか。

考えてみてください。DEERC 300Eを買う人は、そのスピードを楽しみたいわけです。もし、メーカーが超低速走行での燃費記録を「最大50分!」なんて宣伝したら、実際にガンガン走らせたユーザーは「話が違う!」となりますよね。だからこそ、メーカーはあえて、現実的な、むしろ厳しい条件下での数値を記載している。その結果、ぼくたちユーザーは「あれ?思ったよりずっと長く遊べるぞ!」という、嬉しいサプライズを体験することになるわけです。

休憩がマシンを救う!

そしてもう一つ、走行時間が延びた大きな理由。それは、ぼくが何気なく取っていた「短い休憩」にあります。

ラジコンをフルスロットルで走らせ続けると、モーターやESC、そしてバッテリーはかなりの熱を持ちます。電子機器は熱に弱く、高温状態が続くとパフォーマンスが低下し、エネルギーの消費効率も悪くなってしまいます。

ぼくが汗を拭いたり、飲み物を飲んだりしていた短い時間。この間、マシンは走行風の当たらない場所で、自然にクールダウンすることができていました。このこまめな冷却時間が、結果的にモーターやバッテリーの性能を常にベストな状態に保ち、トータルでの走行時間を大幅に伸ばすことに繋がったのです。ガンガン走らせて、ちょっと休ませる。この繰り返しが、人間にとってもマシンにとっても、最高のパフォーマンスを引き出す秘訣だったんですね。

リアルな使い勝手と、知っておきたいポイント

さて、スピードやバッテリーといった華やかな性能の裏で、実際に使ってみて初めてわかる、細かいけれど重要なポイントもいくつかありました。ここでは、そんな「リアルな使い勝手」について、正直に共有したいと思います。

送信機に必要な電池の話

これは基本的なことですが、意外と見落としがちなポイントです。DEERC 300EはRTR(Ready to Run)モデルで、車体側のバッテリーは付属していますが、送信機(プロポ)を動かすための電池は別途用意する必要があります。

必要になるのは、単3電池が3本です。そして、嬉しいことに、ぼくが試した限りでは、eneloopなどの**充電式電池も問題なく使用できました。**何度も繰り返し遊ぶことを考えると、充電池を使えるのは非常に経済的で、環境にも優しいですよね。本体バッテリーを充電している間に、送信機の電池も忘れずに準備しておきましょう。

オフロードの宿命?豪快すぎる走りの代償とメンテナンス

DEERC 300Eはオフロードマシンです。その真価は、舗装された道だけでなく、砂利道や草地、土の上でこそ発揮されます。ガンガン走らせるのは、めちゃくちゃ楽しい。でも、その楽しさには、ちょっとした、いや、かなり豪快な代償が伴います。それは、もはや「汚れ」というレベルを超えた、壮絶なまでの汚れです。

特に草原を走らせた後のシャーシは必見です。高速回転するタイヤが草を刈り取り、細かくなった草が内部にびっしり。その様はまるで高性能な草刈り機のよう。さらに衝撃的なのが、アブラムシのようなミクロな虫まで大量に入り込んでいること。これはもう、オフロードの宿命というより、DEERC 300Eの圧倒的なパワーが生み出す、ある種の「現象」なのかもしれません。

見てください、この砂利を蹴散らして力強く踏ん張る姿を。これだけパワフルに走れば、内部が汚れるのも納得ですよね。では、この汚れをどうやって掃除するのか?ぼくが試行錯誤して行き着いた、おすすめのメンテナンス方法をご紹介します。

  1. エアダスター / ブロワーは必須アイテム 一番手軽で効果的なのが、風で汚れを吹き飛ばす方法です。PCの掃除に使う缶タイプのエアダスターや、充電式の小型ブロワーが一つあると、メンテナンスが劇的に楽になります。
  2. ブラシ / ハケでかき出す 風だけでは取れない、こびり付いた土や草は、ブラシでかき出します。使い古しの歯ブラシや、100円ショップで手に入る塗装用のハケが非常に便利です。
  3. 固く絞った布で拭き上げる 最後に、固く絞った布でシャーシ全体を拭き上げます。ただし、モーターやESC、受信機といった電子部品は水気に非常に弱いので、絶対に濡らさないよう細心の注意を払ってください。

この3ステップで、かなり綺麗になります。エアダスターやブラシは、ホームセンターでも手に入りますが、やっぱり埼玉の**ケイ・ホビー**のようなラジコン専門店の店員さんに相談しながら選ぶと、思わぬ便利グッズに出会えたりして楽しいですよ。

まとめ:DEERC 300Eは「買い」か?

ここまで、ぼくがDEERC 300Eを遊び倒して感じたこと、発見したことを、ものすごい熱量で語ってきました。では、結論として、このマシンは「買い」なのでしょうか?

ぼくの答えは、**「ホビーラジコンの世界に、本気で一歩踏み出してみたいすべての人にとって、最高の選択肢の一つ」**です。

草原に佇むその姿は、まるで冒険の相棒そのものです。

驚異的なスピードとパワー、それを支えるタフな足回り。そして、カタログスペックを良い意味で裏切ってくれる、驚きのバッテリー持続時間。箱出しですぐに本格的な走りが楽しめる手軽さを持ちながら、知れば知るほど奥が深い。メンテナンスや、ちょっとした工夫で、さらに快適に、さらに長く付き合っていける。

DEERC 300Eは、単なる「速いラジコン」ではありません。それは、ぼくたちに「操る楽しさ」「発見する喜び」、そして「マシンと向き合う時間」そのものを与えてくれる、素晴らしいパートナーです。もしあなたが、おもちゃのラジコンを卒業して、次のステップに進みたいと思っているなら。あるいは、子供と一緒に、本気で遊べる一台を探しているなら。DEERC 300Eを選んで、後悔することは絶対にないと、ぼくは自信を持って断言します。さあ、あなたもこの驚きと興奮を、ぜひその手で体験してみてください。

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DEERC 300E 番外編 このマシンの欠点

欠点①:アスファルトの悲劇!時速60km/hからの急ハンドルは即転倒

DEERC 300Eの圧倒的なパワーとスピードは、どんな場所でも最高の興奮を与えてくれます。しかし、その有り余るパワー故の弱点、いや、乗りこなすべき「特性」が存在するのも事実です。特にグリップの良いアスファルト路面でスピード調整つまみをMAXにした時、ある「お約束」とも言える現象が待っています。それは、ラジコンの常識を覆すほどの、壮絶な転倒劇の始まりでした。

ゴロゴロゴロゴロ―――ッ!華麗なる側転の嵐

その日は、広い駐車場で最高速アタックを楽しんでいました。アスファルト路面を切り裂くように疾走する300E。そのスピード感に酔いしれ、調子に乗ってスロットルを全開にしたままハンドルをクイっと切った瞬間、事件は起こりました。

「ゴロゴロゴロゴロ―――ッ!」

車体が真横にスライドするのではなく、まるで体操選手が側転をするかのように、車体が猛烈な勢いで横回転を始めたのです。一度や二度ではありません。アスファルトの上を火花(のように見えた)を散らしながら、5回転、6回転…。ようやく止まった時には、ボディは傷だらけ。何が起きたのか一瞬理解できないほどの、衝撃的な光景でした。これは、DEERC 300Eが持つパワーと、タイヤ、そして車高の特性が引き起こす物理現象なのです。

なぜ転ぶ?犯人は「高すぎるグリップ力」

なぜ、あれほどまでに激しく転倒してしまうのでしょうか。そのメカニズムを図で説明すると、このようになります。

【図解:ハイサイド現象の仕組み】

      遠心力(外側に引っ張られる力)
          →→→→→→→
      ┌───────┐
      │ 重心(●)高い │
      └───────┘
        ●─────●  ←タイヤ
        ↑          ↑
      グリップ力  グリップ力(アスファルトに食いついて滑らない!)

      ↓

      遠心力(外側に引っ張られる力)
          →→→→→→→
                (ゴロン!)
              / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
            /    重心(●)    /
          /_______/
          ●─────●
          ↑          ↑
      グリップ力  支点になるタイヤ(滑らない!)
  1. 急ハンドルを切ると、車体には強い遠心力が外側にかかります。
  2. DEERC 300Eのタイヤは、本来オフロード用で柔らかく、凹凸のあるブロックパターンが特徴です。このタイヤが、目の細かいアスファルト路面では消しゴムのようにガッチリと食いついてしまいます。
  3. 通常ならタイヤが滑ってドリフト状態になるところ、グリップ力が高すぎるため外側のタイヤが路面に固定されてしまいます。
  4. 行き場を失った遠心力は、高い位置にあるマシンの重心を外側へ持ち上げ、固定された外側のタイヤを支点にして、内側へ車体を転がしてしまうのです。

この現象をラジコン用語で「ハイサイド」と呼びます。オフロードマシン特有の高い車高と、強力なグリップ力が組み合わさった時に発生しやすい、まさに「アスファルトの悲劇」というわけです。

転倒を防ぎ、アスファルトを制する2つの操縦術

この豪快な転倒は、ある意味DEERC 300Eのパワーの証でもありますが、毎回これではボディがボロボロになってしまいます。しかし、ご安心ください。ちょっとしたコツで、この現象は完全にコントロール可能です。

  • 操縦の鉄則:『スローイン・ファーストアウト』を徹底する これは実車のレースでも基本となるテクニックです。コーナーに進入するにスロットルを緩めて十分に減速し、ハンドルを切って向きを変え、コーナーの出口が見えたら再び加速します。これを意識するだけで、転倒は劇的に減ります。
  • プロポの活用:アスファルト専用「50%モード」を作る 付属の送信機(プロポ)には、スピード調整つまみ(スロットルデュアルレート)が付いています。アスファルトで走らせる時は、あらかじめこのつまみを回して、最高速を50%以下程度に制限しておくのが非常におすすめです。これなら、万が一フルスロットルのままハンドルを切ってしまっても、転倒するリスクを大幅に下げることができます。

この「じゃじゃ馬」な特性を理解し、テクニックとセッティングで乗りこなしていく。それもまた、DEERC 300Eが持つ奥深い楽しみ方の一つなのです。

欠点②:「草刈り機」再び?1/18スケールが直面する背の高い草原という名の壁

アスファルト、砂利道、短い芝生…どんな道でもお構いなしに突き進む無敵艦隊のように見えたDEERC 300E。しかし、そんな彼にも、実はちょっぴり苦手なステージがありました。それは、ぼくらの足元に広がる、ごくありふれた「あの場所」だったのです。その場所とは、少しだけ手入れがされていない、丈の長い草が生い茂る草原でした。

草の海に挑む小さな勇者

その変化に気づいたのは、いつもの公園の、少し奥まったエリアに足を踏み入れた時でした。きれいに刈られた芝生の上では水を得た魚のように走り回っていた300Eが、くるぶしにかかるかどうかの、背丈10cmほどの草むらに入った途端、明らかにそのスピードを落としたのです。

あれだけ俊敏だった動きが、まるで粘度の高い液体の中を進むかのように、もっさりとした印象に変わります。これは、1/18スケールというサイズゆえに、どうしても車高(地面と車体底面の隙間)が低くなってしまうのが原因です。草の海を乗り越えるのではなく、その身一つで草をかき分けながら進むことになるため、物理的な抵抗が急激に増してしまうのです。一瞬、「あ、これは無理かな」と、救出に向かう覚悟をしました。

遅くなる、だが止まらない!草を「ぶった切る」という最終兵器

しかし、ここからがDEERC 300Eの真骨頂であり、ぼくがこのマシンを愛してやまない理由の一つでもあります。普通、この状況ではタイヤやドライブシャフトに草が複雑に絡みつき、走行不能に陥るのがオチです。ところが、300Eは違いました。

スピードは落ちている。確かにもがいているように見える。でも、決して止まらないのです。持ち前のブラシレスモーターの有り余るパワーでタイヤを強制的に回転させ、行く手を阻む一本一本の草を、文字通り**「ぶった切って」**前進していくではありませんか!

以前、メンテナンスの項目で「まるで高性能な草刈り機」と表現しましたが、まさかその能力が、ここでは驚異的な走破性能として発揮されるとは思いもよりませんでした。

草原での挙動弱み(サイズの限界)強み(パワーの証明)
スピード明らかに低下する(もっさりする)止まることなく前進し続ける
草との関係車体底面が草に接触し、大きな抵抗になるタイヤが草を「ぶった切る」
結果俊敏さは失われるパワーでねじ伏せ、必ず生還する

このように、DEERC 300Eの草原での振る舞いは、その小さなボディの限界と、それを凌駕する圧倒的なパワーという、二つの側面を同時に見せてくれます。

これは、完璧ではないからこその「愛すべき個性」と言えるかもしれません。どこにでも行けるわけじゃない。でも、どこまでも行こうとする。そんな健気でパワフルな姿に、ぼくはまた一つ、このマシンのことを好きになりました。

欠点③:じゃじゃ馬の憂鬱「狭い日本では、本気が出せねぇ…」

ここまでDEERC 300Eの圧倒的な性能や、愛すべき個性を語ってきました。しかし、最後に紹介する欠点は、マシン自体の性能的な問題ではありません。それはもっと根源的で、そして何よりも「贅沢な悩み」と呼ぶべきものです。それは、この異次元のスピードモンスターを、心ゆくまで解き放ってあげられる場所が、実はとても少ないという現実でした。

1秒で終わる全力疾走

DEERC 300Eを手に入れたら、誰もがその最高速を試したくなるはずです。しかし、いざ近所の公園や広場に持ち込んでみると、すぐに気づかされます。

「…狭い、狭すぎる!」

スロットルを全開にできるのは、ほんの一瞬。1秒、いやコンマ数秒で、あっという間に向こう岸のフェンスや植え込みに到達してしまいます。これでは、マシンのポテンシャルのほんの数パーセントしか引き出せません。常に全力で走りたがっているこのじゃじゃ馬にとって、これは大きなフラストレーションだったに違いありません。「もっと走らせてくれ!俺の本気はこんなもんじゃない!」そんな声が聞こえてくるようでした。これは、マシンにとっての欠点というより、日本の住宅環境がもたらす、乗り手にとっての大きな課題なのです。

楽園との出会い、そしてじゃじゃ馬の歓喜

しかし、幸運なことに、ぼくはこのじゃじゃ馬が心から満足できる、最高の遊び場を見つけることができました。ぼくが勝手に「DEERC 300E公式テストサイト」と名付けたその公園は、まるでこのマシンのために用意されたかのような、無限に広がる楽園でした。そこには、300Eが持つすべての性能を試すことができる、最高の環境が整っていたのです。

楽園の路面DEERC 300Eの楽しみ方マシンの心の声(想像)
広大なアスファルト息をのむ最高速アタックと、転倒寸前のスリリングなコーナリングを試す。「これだ、このスピードだ!もっと踏んでくれ!」
無限の砂利ゾーンパワフルなドリフトで砂塵を巻き上げ、ラリーカー気分で踊り狂う。「滑るのが楽しい!見てくれ、俺の華麗なステップを!」
見渡す限りの草原トラクションの変化を楽しみながら、ワイルドな走破性で大地を駆け抜ける。「草を切れ!土を蹴れ!どこまでも進んでやる!」

アスファルトで雄叫びをあげ、砂利の上で舞い、草原を力強く駆け抜ける。一日中、様々な表情を見せてくれる300Eを眺めていると、心の底からこう思いました。

「ああ、このじゃじゃ馬、今すっごく楽しいんだろうなぁ」って。

そう考えると、これはもはや欠点ではありません。「乗り手が最高の環境を用意してあげたくなる」「このマシンのために最高の舞台を探したくなる」という、深い愛情を抱かせる、DEERC 300Eの抗いがたい魅力の一つなのかもしれません。このマシンを手にしたあなたは、きっと最高の遊び場を探す冒険に出ることになるでしょう。そして、それを見つけた時の喜びは、何物にも代えがたいはずです。

欠点④:設計者出てこい!バッテリー固定方法が原始的すぎる問題

これまでDEERC 300Eの驚異的な性能を散々褒めちぎってきました。しかし、ここで皆さんに、このマシンの設計における、ある「衝撃の事実」を告白しなければなりません。それは、時速60km/hで爆走するマシンの心臓部、7.4Vのパワフルなリポバッテリーを車体に固定する方法についてです。正直、これを発見した時、ぼくは自分の目を疑いました。

まさかの「斜め置き」からの「マジックテープでグルグル巻き」

高性能なマシンであれば、バッテリーは専用のケースにカチッと収まり、頑丈なホルダーで固定されるのが常識です。しかし、DEERC 300Eの設計者は、どうやら違う次元の発想を持っていたようです。

まず、バッテリーをシャーシの所定のスペースに置こうとすると、ある問題に直面します。縦にも、横にも、どうやってもキッチリ収まらないのです。正解は、なんと「斜めに置く」。そう、バッテリーを少し傾けて、スペースに無理やりねじ込むのが正規の搭載方法なのです。

そして、ここからがハイライトです。斜めに置かれたバッテリーを固定する方法、それは…

テープヒモ状のマジックテープ(ベルクロストラップ)を、シャーシの隙間に通して、グルっと2周巻くだけ。

以上です。 …え、嘘でしょ?あの猛烈な加速と振動、そして激しい転倒に耐えなければならないバッテリーの固定が、マジックテープ2本だけ?あまりの原始的でワイルドな設計に、ぼくは思わず「雑ッ!」と声に出してツッコミを入れてしまいました。

設計思想を勝手に考察してみる

なぜ、こんなにも大胆な固定方法が採用されたのでしょうか。あまりの衝撃に、ぼくは勝手にその設計思想を考察してみました。

項目表向きの理由(たぶん)裏の理由(妄想)
コスト専用のホルダーを作るより、圧倒的に安い。「走れば官軍!固定できりゃ何でもいいんだよ!」
汎用性多少サイズの違うバッテリーでも、テープで巻けば固定できる。「将来どんなバッテリーが出るかわかんねぇし、テープ最強説」
軽量化プラスチックのホルダーよりも、テープの方が軽い。「ホルダーの設計?めんどくせぇ…テープでいいじゃん!」
整備性テープを剝がすだけなので、バッテリー交換が素早い。「ネジとかすぐ無くすだろ?男は黙ってマジックテープ!」

もちろん、これはぼくの勝手な妄想です。しかし、この「雑さ」は、DEERC 300Eというマシンが、いかに**「走り」という一点に全振りして開発されたか**を物語っているようにも思えます。細かいことは気にしない。とにかく速くて、パワフルで、頑丈であればいい。そんな、ある意味で非常に潔い、大陸的な合理主義を感じずにはいられません。

このバッテリー固定方法、最初は欠点だと思いました。でも、今ではこのマシンが持つ、完璧じゃないからこその「愛すべき個性」の一つだと感じています。

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