今回は、会社のMicrosoft 365 (マイクロソフト サンロクゴ)環境で動かしているSharePointリストやPower Automate (パワーオートメイト)、Power Apps (パワーアップス)などの仕組みが、退職者のアカウントと結びついていた場合に起きるトラブルや、その対処法をぜーんぶまとめましたです。ぼくも色々調べて、会社の大人の人たちと話し合った経験からわかったことをとにかく詳しく解説するので、同じような悩みを持つ人の役に立つとうれしいです。最後まで読んでもらえると、退職やアカウント削除でも安心してシステムを運用できるようになるはずです。どうぞよろしくお願いしますです。
退職者のアカウントが抱える問題点はどこにあるの？
ここではまず「なにが問題なのか」をあきらかにします。たとえば、会社で使っているSharePoint (シェアポイント)やPower Automate、Power Appsなど、いろんな便利ツールがありますよね。これらのツールはそれぞれ所有者が設定されていたり、接続 (認証情報) が誰のアカウントで動いているかによって動作が決まることが多いです。そのアカウントを持っていた人が退職してしまって、「あれ、誰も管理できない！」「メールが送れない！」「そもそもアプリが開かなくなった！」なんてことが起こるとたいへんです。それを防ぐために、ちゃんと事前準備をしておく必要があるんです。ここでは、その問題がどこで発生しやすいかを具体的に整理しますですよ。
退職者アカウントに依存するリスクとは
退職者がオーナー（所有者）となっている場合、以下のようなリスクが考えられます。
- アカウントの無効化によるフロー（Power Automate）の停止
Power Automateで作られたフローが、退職者アカウントの接続情報を使っていたり、退職者が唯一の所有者であったりすると、アカウントが無効化された瞬間にフローが動かなくなります。 - Power Appsのアプリ編集・管理が不可能になる
キャンバスアプリやモデル駆動型アプリであっても、退職者だけが所有者であった場合は、編集やエラー修正ができなくなる可能性が高いです。 - SharePoint サイトやリストの管理権限がわからない
SharePointサイトそのものや、リストやライブラリの管理者が退職者のみだった場合、新しく誰かが編集したり権限設定を変えたりできなくなる恐れがあるです。 - メール通知などの接続先が使えなくなる
Outlook (アウトルック) やExchange Online (エクスチェンジ オンライン)の接続が退職者アカウントの場合、通知メールが送れない問題が発生します。
こうしたトラブルは、どんなに便利なシステムを作っても、退職者のアカウントが使えなくなるだけで一気に動かなくなる危険性があるんです。なのであらかじめ「アカウントの切り替え」と「所有者の変更」をセットで考えておく必要があります。
「接続（せつぞく）」と「所有者（しょゆうしゃ）」は別ものだった？
「接続」(英語でConnection: コネクション) と「所有者」(オーナー)という言葉が出てきて、ちょっとややこしいですね。どっちも似たように見えるんですが、実は目的がちがうんです。接続は「だれのアカウントで外部サービスにアクセスするか」を示すもので、所有者は「フローやアプリを管理できる立場にある人」のことです。この違いをきちんと理解しておかないと、退職時の切り替え作業がうまくいかないので、ここでしっかりまとめますです。
接続と所有者の違いをわかりやすく説明します
| 項目 | 接続 | 所有者 |
|---|---|---|
| 意味 | データソースへの認証(ログイン)情報 | フローやアプリを管理・編集・削除できる立場 |
| 対象 | SharePoint、Outlookなどの外部サービス | フロー全体、アプリ全体 |
| 変更するタイミング | 退職者アカウントが使用されている場合 | フロー・アプリ自体を引き継ぎたいとき |
| 変更の手順 | 「アカウントの切り替え」操作 | 「所有者を変更」「フロー共有→新オーナー保存」など |
| 変更しないと起きる事 | フローが実行失敗、通知メールが送れない | アプリやフローを誰も修正や管理できず運用不能になる |
こうして表にしてみると、結構ちがうでしょ。**「接続」はあくまでもデータソースへの“入口”で、「所有者」はフローやアプリを“管理する人”**なんです。退職者が両方の立場を持っていた場合は、両方を新しい人に切り替える必要がありますですよ。
退職直前にやっておきたい！具体的な対処法まとめ
ここからは実際に、退職者がオーナーになっているフローやアプリをどうやって引き継ぐか、その方法を具体的に説明しますです。細かいところでは企業ポリシーとか権限の考え方が違うかもしれませんが、大まかな流れは同じです。特に権限管理やライセンス (使用許諾) がどうなっているか確認しておくことが大切。これを読めば、すんなり引き継ぎができるようになると思います。
1. SharePoint リストやドキュメントライブラリの管理者権限を再設定する
- サイト管理者の確認
退職者がSharePointサイトの唯一の管理者だった場合、新しい担当者を「サイトコレクション管理者」に追加しておく必要があります。 - リスト・ライブラリの所有者権限を付与
SharePointリストの「リストの設定」から、アクセス権を確認して、新しい担当者やグループを追加します。 - 退職者アカウントの削除タイミングの調整
リストやライブラリの権限が正常に引き継がれてから退職者アカウントを無効化しないと、思わぬところでエラーが出る可能性があるです。
2. Power Automate（フロー）の「アカウントの切り替え」と「所有者の移行」
- 接続の切り替え
- 手順: Power Automate > [データ] > [接続] を開き、退職者アカウントの接続を見つけて「アカウントの切り替え」を選ぶ。そこに新しい担当者のアカウントを入れて認証を取り直します。
- 注意点: 接続先のSharePointやOutlookで新担当者に十分なアクセス権があることを確認しておくことが大事です。
- 所有者（オーナー）の変更
- 方法A: 共有→名前を付けて保存
退職者がフローを新しい担当者と共有し、新担当者が「名前を付けて保存」で自身の所有フローとしてクローンを作ります。 - 方法B: エクスポート→インポート
退職者がフローをエクスポート (zip形式)し、新担当者がそれをインポートすれば、所有者として自分のアカウントでフローを構築できます。
- 方法A: 共有→名前を付けて保存
3. Power Apps（キャンバスアプリやモデル駆動型アプリ）のオーナー変更
- アプリの共有
退職者がアプリを「共同所有者」として新担当者を追加します。最低限、編集権限の共有が必要です。 - PowerShell で所有者を変更
企業でCoE(センターオブエクセレンス)スターターキットを導入している場合や管理者権限がある場合は、PowerShellで所有者を切り替えることもできます。 - 接続の切り替え
アプリ内で使われているSharePointやOutlookの接続が退職者のものなら、新担当者に更新してくださいです。
所有者変更と接続切り替えをセットでやる理由
「接続の切り替え」と「所有者の変更」は別物とはいえ、ほとんどセットで行わなきゃいけないケースが多いです。なぜかというと、どっちか一方だけ変えても結局システム全体がうまく回らないからなんです。ここでは、よくある質問を交えながら、その理由を説明しますです。
接続だけ替えたらどうなる？所有者だけ替えたらどうなる？
- 接続だけ切り替えた場合
フローやアプリは新しいアカウントで外部サービスにアクセスできますが、フロー・アプリ自体の管理は旧オーナー（退職者）が保持している状態。退職者が去ったあとにフロー自体を修正したり運用ルールを変えたりが困難になります。 - 所有者だけ切り替えた場合
フローやアプリの管理権限は新オーナーに移動しますが、接続が退職者の認証のまま残っていると、そのアカウントが無効化された瞬間に外部サービスにアクセスできなくなり、フローやアプリが止まるかもしれません。
つまり、退職者のアカウントからまるっと独立した動きをするためには、両方が必要というわけなのです。
会社のライセンスとの関係と注意点
ここまで所有者や接続の話をしてきましたが、最後にもうひとつ重要なのが「ライセンス (使用許諾)」の話です。Power AutomateやPower Appsは、Microsoft 365 (マイクロソフト サンロクゴ)のプランによっては基本機能が含まれている場合と、追加でPower AppsやPower Automateの高機能ライセンスを買う必要がある場合があります。特にプレミアムコネクタ (高度な接続機能) やDataverse (データバース)を使う場合は要注意なのです。
会社支給のライセンスが退職者のアカウントだった場合
- 会社が割り当てたライセンス
退職者アカウントを削除または無効化すると、そのライセンス枠が浮きます。そのライセンスを新しい担当者に割り当てられればいいですが、会社の規定でそう簡単にいかないケースも。 - フローやアプリに影響するかも
もしプレミアムコネクタを使っていた場合、同じレベルのライセンスが新オーナーに付与されないと、フローやアプリが動かなくなる可能性があります。 - 管理者との連携が大事
ライセンスの移行はシステム管理者（Microsoft 365管理センターを操作できる人）にお願いする必要があるので、十分な調整をしておくと安心です。
退職後にやってしまいがちな失敗例
「退職者が出たけど、なんとかなるでしょう」と楽観的に考えて放置すると、その後思わぬトラブルに見舞われるかもしれません。ここでは、実際によくある失敗パターンをいくつか挙げてみます。きっと「あるある」と思う人も多いはずです。
【ケース1】退職後にフローが止まった
- 原因:
退職者のアカウントを使った接続のままで、所有者を変えていなかった。アカウント無効化と同時にフローがエラーを連発。 - 対策:
退職前に「アカウントの切り替え」と「所有者の変更」を実施すれば防げた。
【ケース2】誰もPower Appsを編集できない
- 原因:
退職者がPower Appsのアプリを個人で作っていて、編集権限を共有していなかった。 - 結果:
急なバグやUI修正をしたくても誰も対応できず、結局新しくアプリを作り直す羽目に。 - 対策:
作成段階から複数の共同所有者を設定しておくとベター。
【ケース3】SharePointリストのデータはあるけど編集できない
- 原因:
SharePointサイトの管理者が退職者だけだった。退職後にリストの権限変更をしようとしたら誰も管理者じゃなくて大混乱。 - 対策:
サイトコレクション管理者に複数のユーザー（あるいは管理者グループ）を設定しておくといいです。
実際の作業手順を具体例でおさらい
さて、ここまで読んでくださった方は「接続の切り替え」や「所有者の変更」がどんな意味かをだいたい把握してもらえたかなと思います。だけど、いきなりやろうとすると「何から手をつければいいの？」って戸惑うかもしれません。そんなときのために、手順を時系列でまとめてみましたです。これを参考にすればきっとスムーズに進められると思います。
【ステップ1】退職が決まったらまずヒアリング
- 担当者や管理者が退職する場合、どのフローやアプリを持っているのかリストアップしましょう。
- とくに、SharePoint・Power Automate・Power Appsの接続や所有権を把握することが重要です。
【ステップ2】新オーナーを決めておく
- 退職後の運用を担当する人を決め、必要なライセンスやアカウントを早めに用意します。
- 新オーナーがフローやアプリを管理するため、管理者権限や編集権限がちゃんと付与されているか確認します。
【ステップ3】フローの「接続切り替え」と「所有者変更」
- 接続の切り替え
- Power Automateの「データ」>「接続」画面で、退職者アカウントになっている部分を新オーナーに切り替えます。
- もし接続先がSharePointなら新オーナーがサイトやリストにアクセス権を持っていることを要チェックです。
- 所有者変更
- 退職者がオーナーのフローを共有し、新オーナーが「名前を付けて保存」や「エクスポート/インポート」を行います。
- これで、新オーナーが編集権限だけでなく所有権も確保できます。
【ステップ4】Power Appsの「接続切り替え」と「所有者変更」
- 共同所有者の追加
- 退職者がアプリを開き、新オーナーを共同所有者(編集権限)として追加します。
- 接続の切り替え
- アプリの[データ]画面から、退職者の接続を新オーナーに更新します。
- オーナーの引き継ぎ
- 必要なら管理者がPowerShellなどを使って所有者を直接変更する方法もあります。
【ステップ5】動作確認とドキュメント化
- すべてのフローやアプリが正常に動くかテストを行います。
- 今後の運用をわかりやすくするために、誰がどのフローやアプリを管理しているか、ドキュメント(記録)に残しておきましょう。
まとめ：接続と所有者、両方しっかり引き継いで安心です
いかがでしたでしょうか。会社のライセンスやアカウントの関係で作っていたSharePointリストやPower Automate（フロー）、Power Apps（アプリ）が、退職によって使えなくなるのはとってももったいないです。今回お話ししたように、アカウントの切り替え（接続変更）と所有者（オーナー）の変更を組み合わせておけば、退職者がいなくなっても仕組みはちゃんと生き残ります。これを読んだみなさんが、同じようなトラブルに負けず、会社の生産性アップに寄与できたらうれしいです。
まだ困ったときは？
- 会社のIT管理者やMicrosoft 365管理センターを触れる人に相談する。
- Microsoftの公式ドキュメントを見る。
- 早めに権限の棚卸し(たなおろし)をして、誰がどの仕組みのオーナーかを把握しておく。
これからもあんちゃんは、みんなが便利に働けるような知識をドンドン発信していきますです。最後まで読んでくださってありがとうございました！もし役に立ったらたくさんシェアしてくださいです。おつかれさまでしたー！
以下に、これまでのチャットで参照したMicrosoft公式サイトのURLを3つ、説明文とともに挙げます。
- Power Automate のクラウド フローの所有者を変更する方法
このページでは、Power Automate のソリューション対応クラウド フローの所有者を別のユーザーに変更する手順を詳しく説明しています。 所有者の変更により、ビジネスの継続性を確保し、元の所有者と新しい所有者が共同所有者としてフローを管理できるようになります。 - キャンバス アプリを組織と共有する方法
このドキュメントでは、Power Apps で作成したキャンバス アプリを組織内のユーザーやセキュリティ グループと共有する手順を解説しています。 共有時に設定できる権限レベル（ユーザー、共同所有者）や、共有ダイアログ ボックスの使用方法について詳しく説明しています。 - 所有者が組織を離れるときに孤立したフローを管理する方法
このページでは、Power Automate で所有者が組織を離れた場合に、孤立したフローを特定し、新しい共同所有者を割り当てる手順を説明しています。 特権ユーザーのみが有効な所有者がいないフローを表示できることや、Power Platform Admin Center を使用した管理方法についても触れています。
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