今回はSharePoint(シェアポイント)とPowerApps(パワーアップス)、そしてDataverse(データバース)のあれこれでお悩みの方向けに、とっておきの解説をまとめてみたです。それぞれの役割や違い、ワークフロー(業務の流れを自動化する仕組み)の作り方、さらにSharePointの承認機能について、実際のやり取りをベースに分かりやすくお話しします。初心者さんにも優しく、でもしっかりと深いところまで踏み込むので、最後まで読むころには「なるほど!」が積み重なっているはずですよ。Google検索で上位を目指したい方や、お仕事で実際に運用される方にもおすすめです。ぜひ、じっくり読んでみてくださいませ。
SharePointで出てきた疑問をまるごと総ざらいします
まずは、今回のやり取りのゴールをはっきりさせますね。SharePointはファイル共有やチーム内の情報管理で大活躍するMicrosoft 365(マイクロソフト サンロクゴ)製品の一つです。でも、いざ運用してみると「権限の管理ってどうするの?」「PowerAppsのソリューションって何?」「DataverseとSharePointリストの違いは?」など、いろんな疑問が次々湧いてきますよね。さらに最近はPower Automate(パワーオートメイト)でワークフローを組むケースも増えたので、SharePoint Designer(シェアポイント デザイナー)の時代とは大きく変わってきています。そこで、このブログ記事では、これまで質問をいただいた内容をひとつひとつ拾い上げ、噛み砕いて解説していきます。承認機能のしくみや権限設定のコツなど、実践的なポイントをまとめていますので、ぜひ参考にしてみてくださいです。
PowerAppsの左メニューにある「ソリューション」って何ですか?
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PowerAppsは「Power Apps(パワー アップス)」と呼ばれることも多いのですが、Microsoftのローコード開発プラットフォームの一部として提供されているサービスなのです。アプリ開発をお手軽にできるのが特徴で、業務効率化のためのツールとして人気があります。そして、その画面の左側に「ソリューション」という項目があるのをご存じでしょうか。これは実は「アプリや関連するコンポーネントをまとめてパッケージ化して管理する仕組み」を指します。
たとえば、アプリ本体だけではなく、関連するフロー(Power Automateで作るワークフロー)やDataverseのテーブル、あるいはカスタムコネクタなどをまとめて管理したいときに、とても便利な機能です。これを使うことで、開発→テスト→本番といった環境間移行がスムーズにできるようになります。バージョン管理もしやすくなり、更新するときには「ソリューションごとアップデート」を実行して、常に最新の状態を保てるのです。
ソリューションの種類
- 管理対象ソリューション(Managed Solution)
本番環境用のパッケージ。直接カスタマイズができず、修正したい場合は開発環境で修正して再デプロイします。運用段階では意図せぬ変更を防ぐために便利です。 - 管理対象外ソリューション(Unmanaged Solution)
開発やカスタマイズ用のパッケージ。自由に編集できますが、本番環境では推奨されません。
どんなときに使うの?
- PowerAppsとPower Automateをセットで管理したいとき
- Dataverseのテーブルやカスタムコネクタを複数環境で使い回したいとき
- アプリや関連機能を一括で移行・導入したいとき
結論として、ソリューションは複数コンポーネントをまとめて管理するのにとっても便利なのです。これからPower Appsの開発や運用を本格的にやる方はぜひ活用してみてくださいませ。
DataverseとSharePointリストの違いは大きい?
次は、データの保管場所や管理方法としてよく比較される「Dataverse」と「SharePointリスト」のお話です。ここで「Dataverse(データバース)」という言葉が出てくるのですが、これはMicrosoftが提供するクラウド上のデータベースサービスのこと。Power AppsやPower Automateと組み合わせると、高度なアプリ開発やセキュリティ管理がしやすいという特徴があります。一方で、SharePointリストは従来からOffice 365(今のMicrosoft 365)の中でよく使われる「リスト形式」のデータ管理機能です。ファイルを一緒に管理できたり、手軽にアクセス権を設定できる利点がありますが、大量データの扱いには向かない面もあります。この二つ、実は使いどころが結構違うのです。どう違うのか、細かいポイントを見ていきましょう。
DataverseとSharePointリストの具体的な比較
まずはざっくり比較表を見てくださいませ。難しそうな単語はなるべく噛み砕いて書きますね。
項目 | Dataverse(データバース) | SharePointリスト |
---|---|---|
データ構造 | テーブル形式(リレーション可能) | シンプルなリスト |
データ量の上限 | 大容量(最大4TB(テラバイト)以上) | 1リストあたり約3,000万アイテムまで(条件による制限あり) |
パフォーマンス | 大量データでも高速 | データが増えると遅くなることがある |
セキュリティ | 行(レコード)単位で細かく設定可能 | SharePoint側の権限設定に依存 |
データの関係性 | 外部キー(Primary KeyとForeign Key)などのリレーションシップを設計できる | リレーションを構築するのは難しい |
Power Appsとの連携 | 最適化されており高速 | 連携自体は可能だが、データ量が多いと制限や遅延が起こりやすい |
ライセンス(費用) | Power Apps Premiumライセンスが必要になるケースが多い | Microsoft 365に含まれる(追加コストなし) |
用途 | 大規模なビジネスアプリのデータ基盤 | 小規模なリスト管理や簡易的なデータ共有 |
どちらを選ぶべき?
- SharePointリストを選ぶ場合
- Microsoft 365だけで完結させたい
- 数万件程度の中小規模データを扱いたい
- 既にSharePointでファイル管理していて、ついでにリストも使いたい
- Dataverseを選ぶ場合
- 数十万~数百万件など大規模なデータを扱う
- Power Appsで本格的な業務アプリを作る
- 行単位でセキュリティ管理するなど、厳密な運用をしたい
- 複雑なリレーション設計が必要
結論として、シンプルに運用したいならSharePointリスト、本格的なデータベースとして扱うならDataverseを使うのがおすすめです。費用面も考慮して決めるといいですよ。
ワークフローにDataverseは必要?それとも不要?
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次に、Power Automate(パワーオートメイト)のワークフロー(作業工程を自動化するフロー)を組む際に、「Dataverseって必須なんですか?」という疑問がよく出てきます。業務プロセスを自動化するときに、SharePointリストを使うケース、Excelを使うケース、Outlookメールに連動させるケース…本当にさまざまです。ここでは、Dataverseが必須になる状況とそうでない状況について整理してみますね。
ワークフローにDataverseは必須ではありません
結論から言うと、Power Automateのワークフローを作るだけならDataverseは必須ではないのです。Power Automateは多くのコネクタ(外部サービスとの接続部)を用意していて、SharePointリストやOneDrive、Outlook、Excel、さらにはTwitterやTeamsなど、いろいろなサービスと連携ができます。「新しいリストアイテムが追加されたらメールを送る」「特定のフォルダにファイルがアップロードされたら通知する」といったフローは、Dataverseなしでも余裕で作れてしまいます。
ただし、Dataverseを使う場合は「Dataverseのテーブルに新レコードができたらフローを走らせる」といったトリガー(引き金)が使えたり、Dataverseのデータ構造を前提にした高度な処理が行えます。大規模データや複雑なリレーションが絡むときには重宝しますが、そうでないときはSharePointリストなど他のデータソースで十分だったりもします。
そもそもSharePointでよく言われる「ワークフロー」って何?
ここで、昔からSharePointを使っている方が混乱しやすいポイントをお話しします。SharePointには「ワークフロー機能」というのが昔から存在していて、SharePoint Designer(シェアポイント デザイナー)というツールを使って構築する方法がかつては主流でした。しかし現在、MicrosoftはPower Automateを使ったクラウドフローの利用を強く推奨しています。つまり「SharePointのワークフロー」と一口に言っても、旧式のSharePoint Designerワークフローと新しいPower Automateフローがあるのです。今は後者がメインなので、その点を押さえておきましょう。
SharePointのワークフローの種類
- Power Automate(パワーオートメイト)
- 現在の主流。クラウドベースで最新機能が充実し、TeamsやOutlook、OneDriveなどとも簡単に連携できます。
- ノーコード・ローコードで作れ、メンテナンス性が高いです。
- SharePoint Designerワークフローの代替としても注目されています。
- SharePoint Designerワークフロー(旧式)
- SharePointのオンプレミス版(サーバー版)などではまだ使われる場面がありますが、Microsoft 365(クラウド版)では非推奨かつ廃止予定です。
- 既にあるワークフローをすぐに移行できない場合もあるので、段階的にPower Automateに置き換えることが多いです。
- Microsoft 365組み込みの簡易承認
- SharePointリストやドキュメントライブラリに「承認」を仕組みとして追加できる簡易機能。
- 多段階承認や複雑な分岐には向きませんが、「公開前に誰かにOKをもらう」程度なら手軽に使えます。
SharePointの「承認」機能とは?使いこなしポイント
ここでの「承認」機能は、ドキュメントライブラリやリストで「コンテンツ承認(Content Approval)」を有効にすると使えるものを指します。設定をオンにすると、新しくアップロードされたファイルやリストアイテムが承認されるまでは「下書き」扱いになり、一般ユーザーには見えない状態になったりします。たとえば、社内ポータルサイトに資料をアップロードしたときに、担当者が承認ボタンを押すまでは公開されない、というイメージですね。これにより、不用意に誤った情報が大勢に共有されることを防げます。シンプルにドキュメントをチェックしたい場合には便利ですよ。
具体的な承認の種類
- コンテンツ承認(標準機能)
- ライブラリやリストの「バージョン設定」から設定可能。
- 承認されるまでは一般ユーザーから見えない「下書き状態」になる。
- 承認の操作は「承認権限(Approve)」や「フルコントロール(Full Control)」を持つユーザーだけが行える。
- Power Automateの承認フロー
- 多段階承認(部門長→課長→役員など)を組める。
- Teamsやメールで承認依頼やリマインドを自動送付できる。
- SharePoint外のシステムとも連携しやすい。
簡単に済ませたいなら「コンテンツ承認」、複雑なフローを自動化したいなら「Power Automate」が向いています。
コンテンツ承認(標準機能)で承認作業をするのは誰?
実際に「コンテンツ承認」を有効にすると、だれが承認ボタンを押すことになるのか気になりますよね。ここをしっかり押さえておかないと、いつまでたっても承認されずに公開されないまま…なんてことが起きちゃいます。承認者は「承認」権限(Approve)を持つユーザーです。一般的にはサイトの所有者(Site Owner)や管理者がこの権限をもっていますが、プロジェクトやチームによっては特定の担当者だけに承認権限を与えることもあります。
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承認権限の設定と確認
- ライブラリ(またはリスト)の設定画面へ
- 「⚙(設定)」→「ライブラリの設定」または「リストの設定」を開きます。
- 「バージョン設定」を選ぶと「コンテンツの承認を必須にする」という項目があります。ここを「はい」にします。
- ドラフトアイテムの表示を「作成者と承認者のみ」にするかどうかも好みに合わせて設定可能です。
- このライブラリ/リストに対する権限の画面へ
- 「ユーザーやグループ」を承認者として登録するには「権限の付与」から行います。
- 「承認(Approve)」または「フルコントロール(Full Control)」が付与されていれば承認作業が可能になります。
- 「編集(Edit)」や「閲覧(Read)」では承認作業ができないのでご注意ください。
権限の管理はどうやるの?「このリストに対する権限」を確認しよう
SharePointを使い始めると必ずぶつかるのが「権限設定」の問題です。チーム内だけが閲覧すればいい資料、社外にも公開したいページ、承認だけは特定の人にしかやってほしくない、などなど運用形態はさまざま。SharePointでは、サイト全体での権限設定を継承する仕組みと、特定のリストやライブラリだけ継承を外して独自設定をする方法が選べます。「このリストに対する権限」が見えない場合や、メニュー名称が違う場合もあるかもしれませんが、だいたい同じ場所で設定を確認できるはずです。
「権限の管理」または「このリストに対する権限」の操作
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- リストまたはライブラリの設定画面へ
- 右上の「⚙(設定)」→「リストの設定」または「ライブラリの設定」を選択。
- 画面が切り替わったら、下のほうに「このリストに対する権限」や「権限の管理」というリンクがあるのでクリック。
- 権限レベルの確認
- どのグループまたはユーザーがどの権限(フルコントロール、承認、編集、閲覧など)を持っているか一覧で出てきます。
- 継承を解除していない場合は、「サイトの権限を継承中」などと表示されるかもしれません。
- 編集または追加
- ユーザーを追加したい場合は「権限の付与」や「ユーザーの招待」などのボタンを探してクリック。
- 承認権限を与えたい場合は、権限レベルで「承認(Approve)」を選びます。より強力な「フルコントロール」にすると全操作が可能になりますので、運用には注意が必要です。
承認者の権限を付与するには?具体的な手順を解説
最後に「実際に承認権限を追加するのってどうやるの?」というところをもう少し詳しく説明しておきます。SharePoint Onlineの場合はインターフェース(UI)が変わることもあるので、全員がまったく同じ画面になるとは限りませんが、大筋は同じです。「承認」権限さえ正しく割り当てられれば、そのユーザーはコンテンツ承認(下書きを公開状態へ変更する)作業ができるようになります。運用トラブルを避けるため、まずはテスト用のライブラリなどで練習してみると安心ですよ。
承認権限付与の手順
- 対象ライブラリやリストへ移動
- 例:ドキュメントライブラリや特定のリスト。
- 右上の「⚙(設定)」→「ライブラリの設定」または「リストの設定」をクリック。
- 「このリストに対する権限」を選択
- ページ下部にある「権限の継承」「権限の管理」などのリンクを見つけてクリック。
- 現在の権限がどうなっているか、継承されているかを確認します。
- ユーザーまたはグループを追加
- 「権限の付与」もしくは「ユーザーの招待」といったボタンがあるはずです。
- そこで承認権限を割り当てたいユーザーアカウントやグループを指定し、「承認(Approve)」または「フルコントロール(Full Control)」を選択します。
- 「共有」または「OK」を押して完了。
- 確認
- もう一度「このリストに対する権限」を開いて、対象ユーザーが「承認」または「フルコントロール」権限を持っているか確認。
- 権限が正しく設定されていれば、そのユーザーはコンテンツ承認(Approve/Reject)ができるようになります。
まとめ:SharePointとPowerApps、Dataverseを賢く使いこなしましょう
ここまでで、PowerAppsのソリューション機能、DataverseとSharePointリストの違い、そしてワークフローやSharePointの承認機能について一通りのポイントを解説してきました。実際の運用現場では、権限管理やワークフローの設計によって使いやすさや安全性が大きく変わります。まずは基本を押さえたうえで「どのツールを使って何をしたいか?」をはっきりさせるのが大切です。また、Microsoft 365の機能はアップデートの頻度が高いので、最新情報を公式ドキュメント(Microsoft Learnなど)やコミュニティでチェックする癖をつけておくと安心ですよ。
実務に役立つポイントのおさらい
- PowerAppsのソリューション
- アプリと関連コンポーネントを一括管理。開発環境から本番環境への移行もスムーズ。
- DataverseとSharePointリストの使い分け
- 小規模&無料で済ませたいならSharePointリスト、大規模&細かなセキュリティ管理が必要ならDataverse。
- ワークフロー(Power Automate)
- Dataverseは必須じゃない。SharePointリストやExcel、Outlookなどとも連携可能。
- SharePointの承認機能
- 「コンテンツ承認(標準機能)」でシンプル承認、「Power Automate」で多段階承認。
- 権限設定のカギ
- 承認者には「承認(Approve)」権限を付与。必要に応じて「フルコントロール」も検討。
- 「編集」権限だけでは承認操作ができないので注意。
このブログ記事が、SharePointやPowerApps、Dataverseの理解をぐんと深めるお手伝いになればうれしいです。興味を持たれた方はぜひMicrosoftの公式ドキュメントやコミュニティものぞいてみてください。新しい知識がたくさん得られると思いますよ。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!これからも、ちょこちょこ情報をアップデートしていきますので、また遊びにきてくださいです。皆さんのSharePointライフがもっと快適で楽しくなりますように。
下に、記事内で引用された公式かつ権威のあるWebページのURLを3件ご紹介します。
- Power Apps ソリューションの概要
- URL: https://learn.microsoft.com/ja-jp/power-apps/maker/data-platform/solutions-overview
- Microsoft Dataverse とは
- URL: https://learn.microsoft.com/ja-jp/power-apps/maker/data-platform/data-platform-intro
- SharePoint での承認ワークフローの自動化
- URL: https://learn.microsoft.com/ja-jp/power-automate/sharepoint-approvals
れらのリンク先では、Power Apps のソリューション、Dataverse の概要、SharePoint における承認ワークフローの自動化について、詳細な情報が提供されています。
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