「ポータブル電源 普段使い」で検索してこの記事にたどり着いた方に、先に結論から書きます。防災用に買ったポータブル電源が、置き場所のせいで普段使いできていない家庭は多いはずです。ぼくの家にも、コストコで買った大きめのAnkerがあります。今回は、その悩みにちょうどよさそうな薄さ67mmの新型「Jackery SlimPower H1」と、ぼく自身のAnkerで最近あった発見を合わせて紹介します。

うちのポータブル電源も、普段使いされずに眠っていました
ポータブル電源というと、災害に備えて買って、あとは使わずにしまっておく道具というイメージがあります。ぼくの家にも、大きめのポータブル電源が1台あります。
コストコで買った大きめのAnkerが、いまも家にあります
うちにあるのはAnker製のポータブル電源で、コストコで購入しました。とにかく大きくて、存在感のあるサイズです。型番は「Anker Solix C1000」(A1761521・ベージュ)で、容量は1,056Whです。注文履歴を見返して確かめました。うちはコストコで86,800円(配送料込み)でしたが、当時はかなり格安で買えたと思っています。
ちなみに、満充電のままの管理といえば、以前USB充電の”物理的”自動停止「満タンデタッチャブル」がほしい理由という記事で、満タンになったら物理的にケーブルを引き剥がしてしまう充電アダプターを紹介したことがあります。あちらはスマホ用の小さな話でしたが、今回のAnkerは容量も桁違いの大物です。
満充電のまま3か月ほど放置しても、表示は100%のままでした
そんなAnkerで、最近ちょっとびっくりしたことがありました。満充電にしたあと電源を落として、3か月ほどそのまま放置していたんです。ふと「あれ、どのくらいバッテリー減ってるかな」と気になって、電源を入れてスマホアプリから残量を確認してみました。
満充電後に電源を落とし、3か月ほど放置。アプリで確認すると、表示は100%だった。
まさか自然放電が全く起きていないとは思っていなかったので、「ほんとに?」と声が出るくらい驚きました。ただし正直に書いておくと、これはアプリの残量表示が100%のままだった、という事実です。残量表示には丸めが入っていることが多いので、内部のバッテリーが1ミリも減っていないとまでは言い切れません。それでも、体感として「全然減っていない」と感じるくらいの結果だったのは間違いありません。
薄さ67mmの「Jackery SlimPower H1」が出た理由
そんな中で見つけたのが、家電Watchのレビュー記事「すき間に入るポタ電 ジャクリのSlimPower H1は日常使いしやすい【家電レビュー】」(家電Watch、執筆は小寺信良氏、2026年9月3日公開)でした。この記事によると、Jackery Japanが2026年7月9日に発表した新しいポータブル電源「SlimPower H1」は、厚さ67mmという薄さに振った、これまでの箱型とはまったく違うモデルだそうです。
定格容量1024Wh・定格出力800Wの基本スペック
Jackery JapanがPR TIMESで公開したプレスリリース(2026年7月9日付)によると、SlimPower H1の基本スペックは次のとおりだそうです。
- 定格容量:1024Wh
- 定格出力:800W(瞬間最大1600W)
- 電池の種類:リン酸鉄リチウムイオン電池
- 厚さ:67mm/重量:約10.5kg
- 充放電サイクル:約6000回(初期容量の70%を維持)
- 動作音:40dB未満
- 保証期間:基本3年+2年
1024Whというのは、ポータブル電源の中でもいちばん売れ筋の容量帯だそうです。家電Watchの記事でも「1kWhのポータブル電源は、容量や出力、重量など非常にバランスがいいポジションにある」と書かれていました。つまり容量そのものは特別ではなく、勝負しているのは薄さのほうということになりますね。
横置き・縦置き・壁掛けの3通りで「押し入れに戻さない」設計
家電Watchの記事には、こんな指摘がありました。
従来の箱型ポータブル電源は、フットプリントが大きく、置き場所に困った挙句、押入れの奥にしまわれるという課題があった。
うちのAnkerも、3か月ほど電源を落としたままでした。この指摘は他人事ではありません。SlimPower H1は横置き・縦置き・壁掛けの3通りで設置できるようにしてあり、家具と家具のわずかなすき間や、冷蔵庫の横にすっきり収まることを狙って作られているそうです。しまう前提ではなく、最初から部屋に出しっぱなしにする前提で設計されている、という点が、これまでの製品との一番の違いに見えます。ただし壁掛けにするには、本体とは別に壁掛けブラケット(1,999円)が必要だそうです。設置する壁の耐荷重を確かめてくださいという注意書きがあるくらいなので、賃貸だと気軽には試せなさそうです。
同じ1024Whクラスでも、箱型のモデルはどうしても存在感が出てきます。参考までに、うちのAnkerと同じシリーズの現行モデル(SlimPower H1と同じ1024Whクラスの箱型)も載せておきます。同じ容量でも、厚みのあるボックス型だと置き場所の選択肢はどうしても限られますよね。
UPSの代わりになるのか、ここが気になっていました
SlimPower H1について、ぼくにはもともと気になっていたことが2つありました。1つ目が「UPSの代わりになるのか」です。UPS(無停電電源装置。停電が起きた瞬間に、電気を一瞬だけ肩代わりしてくれる装置のことです)として使えるなら、防災用としてだけでなく、常時つないでおく理由ができますよね。
約0.01秒で切り替わるUPS機能とパススルー機能
Jackery Japanのプレスリリースには、次のように書かれています。
約0.01秒で電源を切り替えるUPS機能とパススルー機能を搭載。普段は電気をためながら通電し、停電時にはそのまま給電を継続。日常使いと備えを両立します。
さらに同じプレスリリースでは、バックアップしたい機器の例として「冷蔵庫や水槽のヒーター、パソコンなど常時稼働させたい家電をしっかりバックアップ」と挙げられていました。つまりメーカー自身が、常時つなぎっぱなしで使うことを想定しているということですね。
家電Watchが挙げた「ACソケット遅延有効化」という気配り
家電Watchの記事では、もう一歩踏み込んだ機能も紹介されていました。停電から復旧した直後は電圧が不安定になることがあり、その瞬間にすぐ給電を再開すると、かえって家電にダメージを与えることがあるそうです。SlimPower H1には「ACソケット遅延有効化」という設定があり、復旧後に少し時間を置いてからAC出力をオンにできるとのことでした。冷蔵庫のコンプレッサーや熱帯魚のヒーターのように、いきなり切り替わると困る機器のための工夫だそうです。地味に助かる配慮ですよね。
AC出力は1口だけ、というのは覚えておきたいところ
良いことばかりではなく、気をつけたい点もあります。家電Watchの記事でも「電源出力がAC1系統だけというのは、惜しいところだ」と指摘されていて、USB-Cポートも付いていません。複数の機器を同時にバックアップしたい場合は、この1口をどう使うか考える必要がありそうです。さらに、本体に持ち手が無く、底面のスタンドにもキャスターが付いていないそうです。とはいえ重量は約10.5kgなので、両手で持てば移動はできそうですね。
もう1つ、これは調べてもわからなかった点として正直に書いておきます。UPSとして繊細な機器(パソコンなど)を守るには、出力される電気の波形が家庭用コンセントに近い正弦波かどうかが気になるところですが、プレスリリースにも家電Watchの記事にもその記載は見当たりませんでした。ここは公式サイトを見ても確認できておらず、実際に使っている方の情報を探すか、Jackeryに問い合わせるかしないと分からない部分です。
結局いくらなのか、ここも気になっていました(2026年9月4日調べ)
もう1つ気になっていたのが「結局いくらなのか」です。SlimPower H1は本体だけでなく、拡張バッテリーやソーラー充電のためのオプションもセットで展開されているので、まとめて見てみますね。
価格はすべて税込。公式サイトの割引価格は家電Watchの記事執筆時点(2026年9月3日)の情報で、セール期間や価格は今後変わる可能性があります。楽天市場の価格は2026年9月4日にぼくが確認した値です。
公式サイトは記事執筆時点で30%OFFだったそうです
家電Watchの記事によれば、公式サイトの製品ページでは定価119,800円のところ、9月10日まで30%OFFの83,860円で購入できるセールが実施されていたそうです。ただしこれは家電Watchの記事が公開された2026年9月3日時点の情報で、ぼく自身が公式サイトで確認できたわけではありません。セール期間や割引率は変わる可能性があるので、実際に買うタイミングで公式サイトを見て確かめるのが確実です。

楽天市場では113,410円でした
楽天市場では、2026年9月4日の時点でSlimPower H1が113,410円で販売されているのを確認しました。公式サイトのセール価格と比べると差はありますが、定価よりは安く、ポイント還元なども含めて考えると選択肢の1つになりそうです。
ちなみに、値段の安さだけで飛びついて失敗しかけた経験もあります。以前、規格外の800W・10ポート充電器を見つけて衝動買いしかけたことがあり、そのときは「安すぎる価格の裏に何があるか」を調べて、最終的に購入をキャンセルしました(衝撃の800W充電器を発見!MacBook Proも複数台OK?Amazonで見つけた怪物級GaNチャージャーの真実と、ぼくが買った後の大転回)。SlimPower H1は家電Watchの記者が実機を借りて検証しているぶん、その手の話とは事情が違います。それでも、公式サイト・楽天・記事、それぞれの価格がいつ時点のものかはズレていることがあるので、見るたびに日付を確かめるようにしています。
本体以外にもかかる費用があります
SlimPower H1には、本体とは別売りのオプションが3つあります。買うかどうかは別として、価格をざっと並べてみます。
いずれも本体(119,800円)とは別売りです。定価に対する割合ではなく、単品の価格として見てください。
家電Watchの実機レビューで分かった、日常づかいのリアル
ここからは、家電Watchの記事に載っていた、実際に自宅で使ってみたからこそ分かった話を紹介します。プレスリリースだけでは出てこない情報なので、普段使いを考えるならここが本題かもしれません。
冷蔵庫の横に置くなら、プラグの形に注意
SlimPower H1を冷蔵庫のバッファ電源として使う場合、冷蔵庫のプラグが刺さっていたコンセントにSlimPower H1を挿し替える形になります。ところが家電Watchの記事によると、SlimPower H1に付属する電源ケーブルのプラグは一般的なストレートタイプで、日本の大容量冷蔵庫に多いL字型のプラグとは違うそうです。記者の自宅では、そのままだと冷蔵庫自体が邪魔になってコンセントに挿せなかったため、別途L字型プラグのテーブルタップを用意してつないだ、と書かれていました。
もう1つ気をつけたいのが置き方です。日本で販売されている冷蔵庫の中には天面から熱を逃がすタイプもあるため、SlimPower H1のようなポータブル電源を冷蔵庫の上に載せて使うのはおすすめされていないそうです。横のすき間に立てて置く想定で作られている、という話にもつながりますね。
これから買う場合は、本体だけでなく、コンセント周りの形も一緒に考えておいたほうがよさそうです。冷蔵庫の裏のような狭い場所で使うなら、こういうL字型のタップがあると設置がスムーズになります。
電気代が安い時間だけ充電する「ピークシフト」
家電Watchの記事では、アプリで電力料金の高い時間帯・安い時間帯を設定できる機能も紹介されていました。安い時間帯だけ系統電力から充電し、高い時間帯はバッテリー側から出力するという使い方です。変動型の料金プランや、深夜電力が安いプランを契約している家庭なら、少しずつでも電気代が下がることが期待できるとのことでした。これも、災害時だけでなく普段から使ってこそ意味が出てくる機能です。
ソーラー充電で防災力を足すなら
停電が長引いた場合にそなえて、ソーラーパネルからの充電にも対応しているそうです。どれくらいの時間で充電できるのか、気になりますよね。
100Wパネルなら2〜3日、200W以上が現実的
家電Watchの記事によると、100Wのソーラーパネルではフル充電に15時間かかるものの、1日の日照時間は15時間もないため、実際には2〜3日がかりになるそうです。記事では「200W以上が現実的だろう」と書かれていました。日常のちょっとした足しというより、停電が長引いたときの備えとして考えるのがよさそうです。
コンセント+ソーラー併用で最速58分
コンセントからの充電だけなら1.5時間、コンセントとソーラーパネルを併用すると、最速58分でフル充電できるそうです。ソーラーパネル込みで検討するなら、こんな製品があります。
ここで1つ注意点があります。ソーラーパネルをSlimPower H1につなぐには、本体側に「DC Inputモジュール」という拡張パーツ(11,999円)を別途取り付ける必要があるそうです。パネルだけ買っても、そのままでは充電できない点は覚えておいてください。
充電の速さで選ぶガジェットといえば、以前、240Wの急速充電に対応したGaN充電器を実際に買って使ってみたこともあります。充電にかかる時間は、こういう大きな電源でも小さなガジェットでも、選ぶときにいちばん気になるポイントですね。

まとめ:薄さが解決するのは、置き場所だけじゃなかった
家電Watchの記事は、最後をこう締めくくっていました。
災害時にだけ役に立てばいいというのでは、購入意欲も薄れる。普段から「回しておく」という重要性に気づかせてくれるポータブル電源だ。
この一文を読んで、うちのAnkerのことを思い出しました。3か月放置しても100%だったくらいなので、性能自体は悪くないはずです。ただ、UPSとして使えるのか、電気代の安い時間だけ充電するピークシフトのような機能がついているのか、ぼくはまだ知りません。SlimPower H1が薄さ67mmで「出しっぱなしにできる」ところまで持っていったのに対して、いまのAnkerがどこまで同じことをできるのか、そこはこれから確かめてみたいところです。
ぼくがこれからやること
正直に書くと、ぼくはまだSlimPower H1を買っていませんし、実際に触ったこともありません。まずはうちのAnker Solix C1000が、UPS機能やピークシフトに対応しているのかを調べてみようと思います。それと合わせて、冷蔵庫の横のすき間にいまのAnkerが置けるサイズなのかも、メジャーで測ってみるつもりです。





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