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充電池の残量チェッカー、満タンも空も『GOOD』と出るわけ

電池残量チェッカーenevolt-basicの液晶部分の拡大写真。POOR・WEAK・GOODの目盛りが上下2段に印刷され、バーがGOODの範囲まで伸びている ガジェット
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充電池の残量をチェッカーで測ってみたら、満タンのときも、機器が「電池切れ」と判定したときも、いつも「GOOD」でした。ぼくが持っている電池残量チェッカーは、これでは使いものになりません。実際に何が起きているのか、取扱説明書を読み直し、電池の仕組みから調べてみました。結論を先に言うと、原因はチェッカーの故障ではなく、そもそも充電池を測る道具ではなかったことにありました。

電池残量チェッカーenevolt-basicの液晶部分の拡大写真。POOR・WEAK・GOODの目盛りが上下2段に印刷され、バーがGOODの範囲まで伸びている
実際に使っている電池残量チェッカー、enevolt-basicの液晶です。POOR・WEAK・GOODの目盛りが読めます。
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  1. 充電池も乾電池も、残量チェッカーではいつも「GOOD」でした
    1. SwitchBotロックProが「電池切れ」と言った乾電池
    2. 充電したばかりの充電池も、同じように「GOOD」
  2. 取扱説明書を見たら「充電池は入れないでください」と書いてあった
    1. 商品名は「ユニバーサル電池チェッカー」、対応表にニッケル水素は無い
    2. 商品名に「enevolt」と付いているのに、充電池は非対応
  3. なぜ充電池の残量は、電圧を見ただけでは分からないのか
    1. 充電池は放電のほとんどの区間で電圧がほぼ一定
    2. 充電した直後は、電圧が一時的に高く出る
  4. 動かなくなった乾電池が、なぜ「GOOD」と出たのか
    1. チェッカーとモーターでは、かかる負荷が違うのではないか
    2. ほかにも重なっていそうな要因
    3. 自分でも確かめられそうな方法
  5. スマホやEVが%を出せるのに、単3の充電池が出せない理由
    1. スマホやEVには、電流を四六時中見張る専用回路が入っている
    2. 単3の充電池は、電流を測る仕組みを持たない「ただの電池」
  6. では、充電池の残量を知りたいならどうすればいいのか
    1. 5,000円以内には「いま何%か」を数秒で答える機器は無かった
    2. 買うなら何を選ぶか
  7. ぼくがすでに持っているHitec X4なら十分でした
    1. X4でできること
    2. X4でできないこと
  8. まとめ:チェッカーは壊れていない、測る相手が違っただけ

充電池も乾電池も、残量チェッカーではいつも「GOOD」でした

ぼくが持っているのは、楽天で買った「enevolt basic」という電池チェッカーです。単3・単4はもちろん、ボタン電池や9V電池まで挟んで測れる、よくあるタイプのものです。これで自分の充電池を測ってみたところ、満タンのはずの電池も、機器が「もう電池切れです」と言ってきた電池も、表示はいつも同じ「GOOD」寄りでした。これでは、いま手元の電池がどれくらい残っているのか、まったく判断材料になりません。実際に測った2つの場面を紹介します。

SwitchBotロックProが「電池切れ」と言った乾電池

ぼくは玄関のスマートロック「SwitchBot ロックPro」を使っています。スマホの操作やオートロックで鍵を自動で回してくれる機器で、電源は乾電池です。付属していた乾電池をそのまま使い続けて、およそ200日が経ったころ、アプリに「電池切れ」の表示が出ました。実際、鍵を自動で回すモーターが動かなくなっていたので、電池が実用上もう使えない状態なのは間違いありません。ちなみに、この「電池切れ」がSwitchBot側でどんな仕組みで判定されているのかは、調べてみたのですが分かりませんでした。

この乾電池を電池チェッカーで測ってみると、目盛りは18段階中の14あたりを指していました。あとで取扱説明書を確認したところ、この機種の表示は「POOR:1〜5」「WEAK:6〜10」「GOOD:11〜18」の3段階に分かれています。つまり14あたりというのは「GOOD」の範囲です。鍵を回すモーターすら動かせなくなった電池が、チェッカーの上では「良好」と出ていたことになります。

充電したばかりの充電池も、同じように「GOOD」

次に、単3のニッケル水素充電池「エネボルト」(定格2100mAh)を、ぼくが持っている充電器「Hitec X4 Advanced EX Pro」で通常充電した直後に測ってみました。充電器の画面には、充電が完了した時点での容量として約1500mAhと表示されていました。定格2100mAhに対して、およそ7割です。決して満タンとは言えない状態です。

ところが、この充電池をチェッカーに挟むと、目盛りは15あたり。乾電池のときと同じ「GOOD」の範囲でした。さらに、この充電池をロックProに戻して残量表示を見ると、今度は4分の1程度しか残っていないという表示になりました(ロックPro側の目盛りは粗く、数値でもないので、あくまで見た目の目安です)。

整理すると、ぼくのチェッカーは「200日使ってモーターが回らなくなった乾電池」と「充電した直後だけれど実容量が7割まで落ちた充電池」を、どちらも同じ「GOOD」として表示していました。乾電池と充電池、どちらの側から見ても、この結果はあてになりません。今回測ったのは、この単3のニッケル水素充電池です。

そして、実際に容量を測ったのが、ぼくが持っているこの充電器です。この記事の後半で、あらためて何ができる道具なのかを紹介します。

ここまでが、ぼくの手元で実際に起きた2つの体験です。次は、チェッカーがなぜこの結果を出したのかを、取扱説明書から確かめていきます。

取扱説明書を見たら「充電池は入れないでください」と書いてあった

チェッカーそのものが壊れているのか、それとも別の理由があるのか。手元の実機の型番を確認し、メーカー(スリーアールソリューション)が公開している取扱説明書のPDF(3R-CHR01・2018年12月19日 第1版)を取り寄せて読んでみました。

電池残量チェッカーenevolt-basicを上から見た写真。液晶にPOOR・WEAK・GOODの目盛りとバー表示があり、本体の下寄りのスロットにエネボルトの青い単3形充電池が1本入っている。まわりには長さの違う筒型電池のスロットと、金属の接点が付いた浅いくぼみが並んでいる
同じチェッカーを上から見たところです。エネボルトの単3充電池を入れると、バーはGOODの範囲まで伸びます。

商品名は「ユニバーサル電池チェッカー」、対応表にニッケル水素は無い

取扱説明書の「製品仕様」の欄には、こう書かれていました。

商品名 ユニバーサル電池チェッカー
型番 3R-CHR01
対応電池 CR2、CR-P2、CR-V3、2CR5、9V、CR123A、C、D、AAA、AA、3V、1.5V、N

対応電池の一覧を何度見ても、ニッケル水素充電池は入っていません。そして「LCDディスプレイ」の説明のページには、赤字でこう注意書きがありました。

※充電池、ニッケル水素電池を入れないでください。正しい測定が行えない場合があります。

これを読んで、ようやく腑に落ちました。ぼくのチェッカーが壊れていたのではなく、そもそも充電池を測る道具として作られていなかったのです。対応電池の欄にある「1.5V」「3V」は、本体の説明図に「1.5Vボタン電池/3Vボタン電池」とあるとおり、ボタン電池のことです。並んでいるのは使い切りの電池ばかりで、充電池の公称電圧である1.2Vに当たるものは、どこにも入っていません。

商品名に「enevolt」と付いているのに、充電池は非対応

ここで気になったのが、商品のシリーズ名です。ぼくのチェッカーはパッケージに「enevolt-basic」と書かれています。エネボルトというのは、まさにぼくが今回充電池側に使っているブランドの名前です。充電池のブランド名を冠したチェッカーが、その充電池を測れないというのは、買う側からすると分かりにくいところだと思います。

さらに調べると、同じ「enevolt basic」というシリーズ名で、型番3R-CHR02という「ニッケル水素電池チェッカー」も存在することが分かりました。仕様表には「ニッケル水素電池専用です」と明記されています。つまり、同じブランドに乾電池用と充電池用の2機種があり、ぼくが買ったのは乾電池用のほうでした。ただし、この3R-CHR02はいま楽天で探しても見つからず、いまも買えるのかどうかは分かりませんでした。

実際、楽天で同じ型番3R-CHR01を扱う別の店舗を見てみると、商品名に「ニッケル水素電池」「充電池」という言葉を入れて売っている店もありました。ある店の購入者レビューには、こう書かれています。

ニッケル水素電池(充電池)のチェッカーを注文したつもりでしたが、自分が間違ってチェッカーはアルカリ電池用でした。

ぼくと同じ勘違いを、他の買い手もしていたということです。商品名だけを見て「充電池も測れそうだ」と判断するのは危ういと感じました。

なぜ充電池の残量は、電圧を見ただけでは分からないのか

ここまでで、ぼくのチェッカーが充電池を測る想定で作られていないことは分かりました。ただ、もう一段深く「そもそも充電池の残量は、電圧を測るだけで分かるものなのか」というところも気になったので調べてみました。

充電池は放電のほとんどの区間で電圧がほぼ一定

パナソニック公式のエネループのQ&Aページには、充電池の特長としてこう書かれています。

くり返し使えるから、経済的。使い始めから終わりまで、安定した電圧で長時間使え、寒い場所でのアウトドアにもパワーを発揮。

これは充電池の長所として書かれた説明ですが、裏を返すと「使い始めから終わりまで電圧がほぼ変わらない」ということでもあります。満タンのときも、残り2割になったときも、電圧計で見るとほとんど同じ1.2V付近を示し続け、電池が本当に空に近づいた最後の最後で急に電圧が落ちる、という減り方をします。これに対して使い切りの乾電池は、使うにつれてじわじわと電圧が下がり続けます。乾電池は電圧が「残量の目盛り」として機能しやすいのに対し、充電池は電圧がほとんど動かないので、目盛りとして使いにくいということです。減り方の違いを、形だけ図にしてみました。

電圧が高い 電圧が低い 満タン 使った時間(放出した容量) ここでは電圧を見ても残量が分からない 充電池(ニッケル水素) 乾電池(アルカリ) 模式図(実測値ではありません)

模式図です。実際の数値ではありません。カーブの形(充電池は平らな区間が長く続き終盤で急に落ちる/乾電池はなだらかに下がり続ける)を示すためのイメージ図です。メーカーの正確な放電特性のグラフは見つけられなかったため、正確な電圧の値は分かりません。

充電した直後は、電圧が一時的に高く出る

もうひとつ、充電池には「充電した直後は電圧が高めに出て、時間が経つと落ち着く」という性質があるようです。技術系のメディアMONOistの解説記事「電池の『SOC』『SOH』は何を示している?」には、充電と放電のそれぞれの状態でのSOC(State of Charge。電池の充電状態を、満タンを100%・空を0%として表す指標です)と電圧の関係について、こう説明されていました。

先ほどの参考図に示した通り、充電と放電では同じSOCであっても電圧値が異なり、一意には定まりません。

この現象は「ヒステリシス」と呼ばれ、充電池では特に強く出ると言われています(この点は複数の学術論文の要約から分かったことで、論文そのものまでは読めていません)。ぼくがエネボルトの充電池を測ったのは、まさに「充電した直後」でした。実容量が定格の7割まで落ちていたとしても、測定のタイミングが充電直後であれば、電圧は劣化する前の満充電時と近い値が出てもおかしくないということになります。

ここから先はぼくの推測ですが、充電した直後の充電池は、この「電圧が一時的に高く出る」性質のせいで、無負荷でチェッカーに挟んだ瞬間の電圧そのものはまだそこそこ高い状態にあり、GOOD判定のラインを割り込んでいなかったのではないかと思います。実容量が定格の7割に落ちていても、測ったタイミングが充電直後だったことが、この結果に効いていそうです。

では、対応電池のはずの乾電池のほうは、なぜ動かなくなるほど消耗していたのに、同じようにGOODと出てしまったのでしょうか。こちらは章をあらためて考えます。

動かなくなった乾電池が、なぜ「GOOD」と出たのか

SwitchBotロックProの乾電池は、チェッカーの対応電池のはずです。乾電池なのに、モーターが回らないほど消耗していた電池が、なぜ目盛り14あたりの「GOOD」と出たのか。この点は、充電池が測れない理由とは別に、考えてみます。

チェッカーとモーターでは、かかる負荷が違うのではないか

いちばん考えられるのは、チェッカーが測っているのは「電池を単体でつまんだときの、軽い負荷での電圧」で、ロックProのモーターが実際に鍵を回すときにかかる大きな負荷(大きな電流)とは、測っている条件そのものが違うのではないか、という説明です。電池は使うほど内部の抵抗(電気の通りにくさ)が上がっていきます。抵抗が上がった電池は、小さな電流しか流さないチェッカーでは電圧がそこそこ高く見えても、モーターのように瞬間的に大きな電流を必要とする機器につないだ瞬間だけ、電圧がガクッと落ち込んでしまうことがあるようです。

実際、同じような体験をしている人はほかにもいるようです。Yahoo!知恵袋の質問に、防振双眼鏡を使っているときに電池切れになったが、事前に電池チェッカーでは「GOODの半分以上」を確認していた、というものがありました。この質問者が使っているチェッカーは「enevolt basic ユニバーサル 電池チェッカー」で、ぼくの実機とまったく同じ機種です。電気店を名乗る回答者は、次のように説明していました。

電気屋です、精度が悪いのではないですよ。
電池チェッカーはある程度の負荷電流を流して測定するようになっています。
電池は少ない電流で使うとある程度の電圧を維持します。
チェッカーの負荷電流よりも、双眼鏡の電流がはるかに多いのです。
その為に電圧が低下するのです。
どんな電池チェッカーでも仕組みはほぼ同じなんです。

別の知恵袋の質問にも、似た話がありました。単1電池ではモーターが動くのに単3電池では動かない、という質問に対して、電池を流れる電流を増やしていくと電圧の下がり方が電池ごとに違い、電流を流していない状態では違いが出ない、という趣旨の回答が寄せられていました。

ぼくのチェッカーの実機が、どのくらいの負荷(電流)をかけて測定しているのかは、取扱説明書には書かれていませんでした。ロックProのモーターが実際に何mA必要とするのかも、調べても見つけられませんでした。そのため、これは「いちばん確からしい説明」だと思いますが、「これが原因です」とまでは言い切れません。

ほかにも重なっていそうな要因

もうひとつ考えられるのが、電池を抜いてから測るまでの間に、電圧がいくらか回復していた可能性です。使い終わった乾電池には、機器から抜いてしばらく休ませると電圧が少し戻る、という性質があるようです。個人の技術ブログの実験記事(元の記事までは読めていません)によると、15分休ませるとアルカリ電池でおよそ50ミリボルトの回復が見られた、という結果が紹介されていました。0.05Vという数字は小さく見えますが、アルカリ乾電池の交換の目安(新品1.5Vに対して、機器が使えなくなる電圧はおよそ0.9〜1.3V程度とされています)という幅の中では、無視できない大きさになる可能性があります。ただし、ぼくが電池をロックProから抜いてからチェッカーで測るまでに何分経っていたかは記録しておらず、実際にどのくらい影響したかは分かりません。

もうひとつ、チェッカーの「GOOD」の線そのものが、モーターを回すのに必要な電圧よりも低いところに引かれている可能性も考えられます。安価なアナログ式の電池チェッカーは1.3VでもGOODと判定することがあり、時計のような機器には電圧が足りないことがある、と指摘する記事も見つかりました(こちらも元の記事までは読めていません)。

自分でも確かめられそうな方法

この推測が正しいかどうかは、次のような方法で確かめられそうです。

  • 電池を機器から抜いた直後と、1日ほど置いてから、それぞれチェッカーで測って目盛りが動くかを見る(電圧回復の影響の大きさが分かります)
  • 新品の乾電池を同じ機器に入れてすぐチェッカーで測る(18に近い値が出るはずで、使い込んだ電池の値との差が、チェッカーがどのくらい劣化を捉えられているかの手がかりになります)

いずれにしても言えるのは、ぼくのチェッカーは充電池だけでなく、対応しているはずの乾電池についても、「機器が実際に動くかどうか」までは教えてくれない、ということです。今回の実測(動かなくなった乾電池が14、容量が7割まで落ちた充電池が15)は、まさにそれを示していたと思います。

スマホやEVが%を出せるのに、単3の充電池が出せない理由

ふだん使っているスマホやノートパソコン、電気自動車(EV)は「残り〇%」ときちんと数字で教えてくれます。それなのに、なぜ単3・単4の充電池だけが数秒での即答ができないのか。この違いも調べてみました。

スマホやEVには、電流を四六時中見張る専用回路が入っている

スマホやノートパソコンの電池パックには、燃料計IC(残量を計算するための小さな電子部品)が組み込まれています。これは電圧だけでなく、電池に出入りする電流を常に測定し、その積み重ねから「いまどれだけ充電された状態か」を計算する仕組みです。EVも同じように、BMS(Battery Management System。電池を安全かつ適切に管理するための制御システムです)が電圧・電流・温度を常時見張っています。つまり、%表示ができるのは「頭がいい電池だから」ではなく、電流を測り続ける専用の回路と、それを計算するコンピューターが、電池側または機器側に埋め込まれているからです。

単3の充電池は、電流を測る仕組みを持たない「ただの電池」

これに対して、単3・単4のニッケル水素充電池は、いろいろな機器に差し替えて使える汎用の部品です。電流センサーも通信用の端子も持たない、金属の電極が2つあるだけの電池です。機器側(懐中電灯やロックProなど)も、電池を差し込むための単純な電極しか用意していません。電池に入る電流・出る電流をずっと測り続ける回路を、電池側にも機器側にも標準で持たせていないため、燃料計ICが前提とする仕組みがそもそも成り立ちません。数秒だけ電池を挟んで測るチェッカーの発想とは、根本的に構造が違うということです。

研究の世界では、電圧に加えて内部抵抗や温度も組み合わせて残量の誤差を数%まで詰める手法もあるようですが、これも電流を常時測り続けることが前提になっています。「一瞬だけ電圧を見る」方式とは別物で、家庭用の安価な機器として売られているものは、少なくとも今回調べた範囲では見つかりませんでした。

では、充電池の残量を知りたいならどうすればいいのか

ここまでで、電圧だけを見るチェッカーでは充電池の残量が分からない理由が見えてきました。では、実際に充電池の状態を知りたいときは、何を使えばいいのでしょうか。予算5,000円以内という条件で、今回調べた道具を並べてみます。

5,000円以内には「いま何%か」を数秒で答える機器は無かった

先に結論を書きます。今回調べた範囲では、1.2Vの充電池について「いま何%残っているか」を数秒で表示する機器は、5,000円以内では見つかりませんでした。これは「探しきれなかっただけ」というより、電池側の性質(放電中の電圧がほぼ一定であること、充電直後は電圧が高く出ること)が壁になっていると考えたほうが自然だと思います。ただし、世界中の製品を調べ尽くしたわけではないので、「絶対に存在しない」とまでは言い切れません。

買うなら何を選ぶか

その代わりに見つかったのは、「劣化しているかどうか」を測る道具と、「実際に放電させて出てきた実容量」を測る道具の2種類でした。前者の代表が内部抵抗計のDlyfull B3です。電池の内部抵抗(電気の通りにくさ)を測り、劣化の目安を示してくれる道具ですが、「いま何%か」を答えるものではありません。

後者の代表が、ZANFLARE C4・XTAR VC4SL・TrustFire TR-020のような、容量測定機能を持つ充電器です。それぞれ何が測れて、何が測れないのかを表にまとめました。

道具の種類 価格帯の目安 測れること 測れないこと
電圧式チェッカー
(ぼくの実機と同じタイプ
1,000円台〜 乾電池など対応電池の、おおまかな電圧の目安 ニッケル水素充電池の残量(取扱説明書が非対応と明記)
内部抵抗計
(Dlyfull B3など)
4,000円前後 電池の内部抵抗=劣化しているかどうかの目安 いま何%残っているか、そのもの
容量を測れる充電器
(ZANFLARE C4など)
3,000〜5,000円 実際に放電させて出てきた実容量(mAh) 数秒での即答(数十分〜数時間かかる)、電池を減らさずに測ること
Hitec X4 Advanced EX Pro
(ぼくが持っている充電器
買い足し不要 容量測定の充電器と同じこと(実容量の実測、内部抵抗の自動判定 数秒判定、ボタン電池などへの対応

価格は2026年9月時点、楽天市場の商品ページから確認した税込みの目安です。内部抵抗計・容量測定充電器は、対応する電池の種類(円筒形かボタン電池か等)が機種ごとに違うので、買うなら商品ページで単3・単4への対応を確認してください。

内部抵抗計が答えてくれるのは「この電池はもうヘタっているか」という劣化度で、容量測定充電器が答えてくれるのは「放電しきったら結局何mAh出たか」という実測値です。どちらも、ぼくが本当に知りたかった「いま何%残っているか」を数秒で教えてくれるものではありません。それでも、実際に容量を測りたいなら、この3つが候補になります。

XTAR VC4SLも、電圧と内部抵抗を表示できる充電器です。容量測定機能をうたっている店もありますが、これは販売店の説明によるもので、メーカーの仕様書までは見つけられませんでした。

TrustFire TR-020は、電池容量の測定とバッテリーの活性化を兼ねた充電器です。

いずれも、実際に放電させて容量を測る道具なので、数秒での即答はできませんが、電池の実力を知る手がかりにはなります。

ぼくがすでに持っているHitec X4なら十分でした

この表を作っていて気づいたのは、容量測定充電器でできることは、ぼくがすでに持っているHitec X4 Advanced EX Proでもできる、ということでした。

X4でできること

Hitec X4には放電モードがあり、単3・単4のニッケル水素充電池を実際に放電させて、実容量(mAh)を測ることができます。サイクルモードを使えば「先に放電して残量を出し切り、そのあと満充電する」という運用もできますし、内部抵抗の自動判定機能もあります。今回エネボルトの充電池を測ったときに出てきた「約1500mAh」という数字も、この充電器が実際に測って出した実測値です。新しく容量測定充電器を買わなくても、同じことができる道具を、ぼくはすでに持っていました。

X4でできないこと

一方で、X4にもできないことはあります。ボタン電池や9V電池のような円筒形以外の電池は対象外ですし、数秒で答えを出すこともできません。放電・充電には数十分から数時間かかりますし、測定そのものが「実際に電池を使い切る」作業なので、電池を減らさずに測ることもできません。それでも、ぼくが今回知りたかった「単3・単4の充電池がいまどれくらい持つのか」という問いには、いちばん正確に答えてくれる道具だと思います。

この充電器の基本的な使い方や、エネボルトの充電池をどう設定して充電しているかは、以前の記事にまとめました。

古い充電池をリフレッシュする方法、ふつうの充電との違い
充電池をリフレッシュする方法を知りたい方へ。6年前に買ったエネボルトの単3充電池16本を、Hitec X4 Advanced EX Proのサイクル・充電・ブレークインの3モードでどう使い分けるか、設定値の出どころごとに整理しました。

サイクルモードで放電・充電の実力を測る考え方や、内部抵抗を自動で調整してくれる機能については、こちらの記事でも詳しく扱っています。あわせて読むと、この充電器でできることの全体像がつかみやすいと思います(サイクルモードと充電の設定についての記事この充電器の機能を紹介した記事)。

まとめ:チェッカーは壊れていない、測る相手が違っただけ

今回分かったのは、ぼくの電池チェッカーが壊れているわけではなく、そもそも充電池を測る道具として作られていなかった、ということです。取扱説明書には「充電池、ニッケル水素電池を入れないでください」とはっきり書かれていました。それなのに商品名には充電池のブランド名が入っていて、買うときに気づきにくい作りになっていたのは事実だと思います。

予算5,000円以内で「いま何%残っているか」を数秒で教えてくれる機器は、今回は見つかりませんでした。充電池の実力を本当に知りたいなら、実際に放電させて容量を測るしかなく、それができる道具をぼくはすでに持っていました。同じように「充電池の残量チェッカーがいつもGOODとしか出ない」と感じている方がいたら、まずお使いのチェッカーが充電池に対応しているか、取扱説明書を確認してみることをおすすめします。

今回いちばん印象に残ったのは、電圧という一つの数字だけで残量を知ろうとすること自体に無理があった、という点です。スマホやEVのように電流を測り続ける専用の回路を持たない単3・単4の充電池では、数秒で答えを出す仕組み自体が成り立ちません。手元のチェッカーの目盛りだけを見て「まだ使える」と判断していたら、肝心なときに電池切れで困っていたかもしれません。

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