僕は普段からパソコンやブラウザの動きを研究するのが大好きです。最近はMicrosoft Edge for Businessという企業向けのブラウザが注目されていますが、「このバージョン番号を見られたら、会社がわかってしまうのでは？」と心配する声を耳にしました。企業で独自の設定が入っているかもしれないし、何らかの方法で外部から特定されるリスクがあるのか気になるところですよね。そこで今回は、Edgeのバージョン番号と企業特定の関係について、具体的な仕組みや可能性を整理してみました。セキュリティやプライバシーが重要視される時代だからこそ、正しい情報を知っておくことが大事だと僕は考えています。バージョン番号の成り立ちや企業向け設定の仕組み、さらに情報開示のリスクなどを水平思考で整理したので、きっと同じ悩みを抱えている人の助けになるはずです。
Edgeのバージョン番号って何だろう？
EdgeはChromiumベースで動いている
Microsoft Edgeは、Chromium（Googleがオープンソースで提供するブラウザエンジン）の仕組みをベースに開発されています。これにより、Google Chromeと同じエンジンであるBlinkを利用しているため、更新サイクルもChromiumのリリースに準拠する部分が大きいです。
その結果、バージョン番号は「メジャーバージョン」「ビルド番号」「マイナーバージョン」の組み合わせで構成されます。たとえば「134.0.3124.66」という数値が示されている場合、最初の「134」がメジャーバージョンで、Chromiumのリリースを基準にしていると考えるとわかりやすいです。
Business向けのEdgeとの違い
Edge for Businessは、企業が管理しやすいように特定の機能があらかじめ有効化されているバージョンです。IT管理者がグループポリシー（Windowsの設定や管理を一括で行う機能）などを使って、社員が使うブラウザに共通のポリシーを適用できるのが特徴です。
ただし、Edge for Businessだからといって「特定企業専用のバージョン番号」が存在するわけではありません。大まかなリリースチャンネル（stable、extended stable、beta、dev、canaryなど）に応じて同じ番号が割り振られます。ですから、バージョン番号を見ても「これは○○社専用のものだ」と判断できるわけではありません。
バージョン番号だけで企業を特定できるのか？
一般的には特定は困難
バージョン番号は、先ほど述べたように多くのユーザーで共通です。したがって、「134.0.3124.66を使っているから、この企業だ！」と外部の人が断定することはできません。
Microsoft自身も、バージョン番号だけでは特定企業を識別できません。もし企業向けの管理ポータル（IntuneやMicrosoft 365など）を介してデバイスが登録されている場合は、Microsoftの管理者側でデバイス情報を確認できますが、それはあくまで企業とMicrosoft間の契約やシステム連携によるものです。バージョン番号とは別の管理情報がキーになります。
リスクがゼロではない場合
ただし、まったくリスクがないとは言い切れません。企業がカスタムポリシーを適用していて、世の中の最新バージョンとは微妙に異なる更新タイミングになっているケースもあるからです。例えば「社内で検証が終わるまでアップデートを遅延させる」という運用を行っている場合、外部の人が「一般公開されている最新バージョンは135.～だけど、この企業のブラウザはまだ134.～なんだ」と気づくかもしれません。
とはいえ、これだけで「どの企業か」をピンポイントに絞り込むのは難しいです。むしろ「アップデートを遅らせている企業かもしれない」と推測される程度でしょう。公開情報がバージョン番号以外にも、社内ドメイン名やIPアドレスなどを含んでしまうと、特定される可能性が高まります。
企業独自の設定がある場合はどうなるの？
グループポリシーでの管理
企業で利用されるPCやブラウザには、グループポリシーによる設定が反映されていることが多いです。具体的には「拡張機能のインストールを制限する」「自動アップデートを停止する」「ホームページを固定する」といった形で統一管理を行います。
こういった設定が加わっていても、基本的に「バージョン番号」そのものが変わることはありません。あくまでも同じバージョンに対して企業独自の設定が行われるだけです。
独自ビルドは別の話
企業や組織がMicrosoftから特別なライセンスを受けて、独自にEdgeをカスタマイズしているようなケース（たとえば大規模機関や官公庁など）では、通常の公開バージョンと異なる番号を付与している場合が稀にあります。ただ、これは特殊な事例であり、一般的な企業ユーザーには当てはまりません。
さらに言えば、そうした独自ビルドの場合でも外部に公開しないのが一般的で、外部から見たらただの「Edge for Business」に見えるため、バージョン番号だけで特定できるわけではありません。
バージョン番号の公開リスクと注意点
どこまで情報を出すか
「Microsoft Edgeのバージョン情報を公開しただけで企業がバレるのか？」という問いに対しては、まず「バージョン番号単体では特定されにくい」というのが結論です。
ただし、以下のような情報が一緒に公開されていると話は別になります。
- 社内ドメイン名やホスト名
- 社内のIPアドレス帯
- 社内専用拡張機能の詳細
- デバイス固有IDやユーザーアカウント情報
これらがバージョン番号と併せて表に出ると、企業のセキュリティリスクが高まる可能性があります。バージョン番号だけがリスクではなく、周辺情報が問題になるのです。
そもそも公開しなくていい
外部向けに何かしらの資料やスクリーンショットを公開する場合でも、ブラウザのバージョン番号を伏せることは容易です。画像のトリミングやモザイク処理、あるいは「Edgeのバージョン」といった文字情報を削除すればリスクを低減できます。
ただ、バージョン番号そのものは公開したところで大きな問題にはならないのが現実です。どうしても気になる場合はモザイク処理するという対策をとるとよいでしょう。
まとめ：バージョン番号では企業を特定できないが、情報管理は慎重に
総合的に見ると、Microsoft Edge for Businessのバージョン番号から企業を特定するのは、ほぼ不可能といえます。すべてのユーザーが共通のバージョン番号を使っているため、どの企業のものかを識別する情報にはなりません。
ただし、カスタムポリシーの適用や独自ビルドなど、特殊な運用が入っている場合は、「一般公開されている最新バージョンとは違う」というヒントを与えてしまう可能性があります。それでも、企業名や個人を特定するには追加情報が必要です。
ブラウザのバージョンを気にするよりも、むしろ組織のセキュリティポリシーや機密情報の取り扱いを厳重に管理することのほうが大切だと僕は思います。公開する資料や画面キャプチャには、バージョン番号以外の部分に企業情報が含まれていないかどうかを常に確認しましょう。そうすることで、本当に守るべき情報をしっかり守ることができるはずです。
Microsoft Edge リリース スケジュール
- Microsoft Edgeの各バージョンのリリース日程やバージョン番号の詳細が記載されています。
- URL: learn.microsoft.com
Microsoft Edge のエンタープライズ サイト リスト マネージャー
- エンタープライズ環境でのサイトリスト管理やバージョン番号の設定方法について説明されています。
- URL: learn.microsoft.com
Microsoft Edge Stable チャネルのアーカイブされたリリース ノート
- 過去の安定版リリースに関する詳細な情報がまとめられています。
- URL: learn.microsoft.com
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