ClaudeにアクセスしたらAnthropicからのお知らせが出て、「あなたの声でAIの未来を導きましょう」と書かれていました。Anthropic Interviewerとは何なのか、答えたら自分の話がどうなるのかが気になって、調べました。
ぼくの画面にこのポップアップが出たのは2026年9月30日です。ボタンを順に押して、インタビューの開始画面まで進んでみました。この記事は、そのときの画面の写真とAnthropic公式の説明を読み合わせて、どんなインタビューなのか、いいところと危ないところは何なのかをまとめたものです。質問には、この記事を書いている時点ではまだ答えていません(押すのは、読んでからでも遅くないですよ!)。
Anthropic Interviewerとは?AIが15分間、質問してくれるインタビュー
Anthropic(アンソロピック。Claudeを作っている会社です)が始めた、AIによるインタビュー調査です。質問をするのが人ではなくAIで、そのAIの名前が「Anthropic Interviewer」です。ポップアップのあとに出る説明画面にも、15分間のインタビューは質問をするAI「Anthropic Interviewer」が行う、と書かれていました。
公式ブログによると、期間は2026年9月29日から10月6日までです。対象は、ClaudeかClaude Code(Claudeにプログラム作りを手伝わせる、別のツールです)を使っていて、アカウントを作ってから2週間以上たっている人です。プランはFree・Pro・Maxの3つで、Freeは無料、ほかは有料のプランです。1回はおよそ15分かかります。
聞かれることは、大きく3つです。公式ブログの英語の質問を、ぼくが日本語にしました。
- AIとのこれまでの体験のうち、いちばん意味があったこと(良かったことも悪かったことも)
- 仕事・学校・医療・行政など、世の中の仕組みのうち、AIに変えてほしいこと
- AIを作っている企業(Anthropicも含みます)に望むこと
正解はなくて、自分の言葉で話してほしい、と公式には書かれています。ちなみにこの公式ブログは英語のみで、日本語版は見当たりません。データの扱いを説明したプライバシーセンターのページには日本語版があるので、この記事ではそちらも読んでいます。
Claudeそのものがまだよく分からない、という方は、先にこちらの記事を読むと話が早いと思います。ClaudeとChatGPT・Geminiを比べてあります。

ふだんあまりAIと話していないと、「AIとの意味ある体験は?」と聞かれても答えに困りそうです。これからClaudeを使ってみたい人向けに、こんな入門ムックもあります。ぼくは読んでいませんが、商品ページには、ChatGPT・Gemini・Claudeの3つを無料で始めるところから解説していて、Claudeを使ってみる章もあると書かれています。
ポップアップから開始画面まで、ぼくの画面はこう進みました
ぼくが押した順に、さっそく画面を見ていきましょう! ポップアップの「インタビューを始める」を押しても、すぐに質問が始まるわけではなく、説明の画面が2枚続きます。途中でいつでも終了できるという案内も出てきます。ちなみに、Claude Codeのクレジット配布のときにも、届いた画面を順に押してみた記事を書いています。

1枚目:ポップアップは「インタビューを始める」か「今はしない」
最初に出たのは、「Anthropicからのお知らせ」のポップアップです。見出しは「あなたの声でAIの未来を導きましょう」で、AIに期待している人も不安な人もその中間の人も、話を聞かせてほしい、という内容でした。「15分間、AIに関するご経験についてお話しください」と「インタビュー後、内容を一般公開するかどうかをお選びいただけます」の2つの案内があり、ボタンは「インタビューを始める」と「今はしない」です。右上には閉じるボタンもあります。
2枚目:「インタビューについて」で、3つのことが書かれていました
ポップアップの「インタビューを始める」を押すと、「インタビューについて」という画面に進みます。書かれていたのは次の3つです。
- インタビューが完了すると、内容はAnthropicと共有される。完了するまでは、いつでも終了できる
- インタビューを公開するかどうかも選べる。この選択は、インタビューが終わったあとに行う
- 公開しないことを選んでも、Anthropicは内容を読んで、調査や改善に使う場合がある。Anthropicから連絡が来ることもある
3つ目は見落としやすいところです。公開しなければ自分だけの話で終わる、というわけではないんですね。
3枚目:「インタビューを一般公開」で、身元特定の注意が出ます
「次へ」を押すと出てくる「インタビューを一般公開」の画面が、いちばん大事だと思います。書かれていた文を、そのまま写します。
インタビューを公開するということは、誰でもその内容を閲覧、保存、利用できることを意味します。たとえ当社でコピーを削除しても、すでに別に保存されている内容までは削除できません。
氏名やClaudeアカウントの詳細情報は載らないものの、所在地や雇用主など、話した内容の細かさによっては、誰かが身元を特定するかもしれない、とも書かれています。
4枚目・5枚目:最初の挨拶は「準備はできましたか?」
開始画面では、会話のテーマが「AIに関するあなたのお考え」と表示され、AIインタビュアーが「準備はできましたか?」と聞いてきます。その下に、「公開されると困るような個人情報やその他の機密情報は共有しないようにしてください。」という注意が出ました。共有すべきでない情報の例として、名前・連絡先情報・非公開ビジネス情報・場所・勤務先・医療情報・家族の詳細・財務詳細の8つが並んでいます。
注意を閉じると、右上に「インタビューを終了」のボタンがあり、画面の下に「準備ができたら、こちらに入力してください…」という入力欄がありました。ぼくが進んだのはここまでです。
答えたあと、回答はどうなる?公開する・しないで変わること
インタビューが終わると、公開するかどうかを選びます。公式ブログの質問と答え(FAQ)と、プライバシーセンターの日本語ページを見比べて、違いを表にしました。
表のとおり、公開しなくても何も起きないわけではありません。プライバシーセンターの日本語ページには、ほかにも次のことが書かれていました。
- 外部の研究者や記者など、選ばれた第三者に共有される場合がある(セッション中の選択に応じて)
- 回答は、Claudeの使い方の集計データ(個人が分からない形にしたもの)と組み合わせて分析される場合がある
- いくつかのインタビュー調査に参加していれば、考えの変化を見るために、回答を一緒に分析する場合がある
- 必要なAnthropicの社員は回答を見られる。利用ポリシーの違反でフラグが立てば、安全を見るチームが読む場合がある
- 回答や、そこから得られた知見を伝えるために、連絡が来る場合がある
答えるといいこと、何が望めるのか
公式ブログが挙げている、公開するいいところはこうです。
- 自分の考えが、Anthropicだけでなく、AIを研究する人や政策に関わる人にも読まれる
- 世界の研究者や政策に関わる人が、それぞれの言語で読める。公式が発表する結果が参加者の言葉を反映しているか、誰でも確かめられる
- この時期のAIについての記録として残る。Anthropicのような企業はやり方を変えるべきだ、という声がたくさん集まれば、その言葉が公開されたまま残り、誰でも引用できる
公開しなくても、回答は研究に使われます。前回の調査の結果は、Anthropic Instituteの方針づくりに使われ、世界経済フォーラムでも発表された、と公式ブログに書かれています。
ここからはぼくの考えです。答えた内容が自分の使うClaudeにそのまま反映される、という約束は読んだページには出てこず、公式が書いているのは開発の参考にする、というところまでです。期待できるのは、ふだんAIに感じていることを言葉にして、公式に届けられることと、自分の考えを整理する機会になることだと思います。
聞かれるのは「AIとの体験」なので、ふだんの使い方を一度整理しておくと話しやすいかもしれません。Claudeの使い方をまとめた本もあります。商品名によると、メールや報告書、企画書をClaudeに作らせるやり方を解説した本です。ぼくは読んでいません。
デメリットと危ないところ
ここからは、公式が自分で書いている注意点を中心に並べます。
公開すると、誰の話か分かってしまうことがある
氏名は載らなくても、年齢・職業・都市・出身校のような、一つ一つは無害に見える情報が、組み合わさると本人を割り出す手がかりになる、と公式ブログに書かれています。しかもインタビューは編集されないので、書いたことがそのまま出ます。AIを使って、雇用主や過去のプロジェクトのような小さな手がかりから、誰なのかを割り出すこともできる、とも書かれています。
これは心配しすぎではなさそうです。2025年12月にAnthropicが公開した、専門職の人たちへのインタビュー1,250件のデータ(このあと出てくる8万人の調査とは別のものです)を使った研究があります。科学者のインタビュー24件のうち6件が、特定の論文に結びつけられたと報告されています(arXiv掲載の論文で、ぼくは要旨を読みました)。公式ブログがリンクしている別の論文でも、AIが、仮名で書かれたオンライン上のプロフィールや発言だけから、Anthropic Interviewerの参加者を高い精度で割り出せたと報告されています。
公開したら、取り消せないと考えたほうがいい
公式が持つコピーは、頼めば消してもらえます。でも、公開されている間に誰かが保存した分は消せません。公式ブログは、公開するという決断は、取り消せないものとして考えるよう書いています。さらに、公開されたインタビューは、詐欺を働く人などに悪用される可能性もある、と公式自身が書いています。
AIの学習に使われるかどうかは、書かれていません
ここは気になる人が多いと思います。プライバシーセンターの今回のページには、回答とアカウント情報は「研究および改善のためにも使用される場合があります」とあります。補足のプライバシーポリシーには「研究の実施および製品とモデルの改善のために使用される場合があります」とあります。さらに、データを扱う法的な根拠をまとめた表には、「サービスを改善し、研究を実施する(モデルトレーニングを除く)」と「(モデルトレーニングを含む)」の2つの目的が並んでいて、どちらにも研究参加データが入っています。
この回答がどちらの目的に入るのかはどのページにも書かれていなくて、学習に使われるのかどうか、ぼくには判断がつきませんでした(Claudeの設定で、会話をAIの改善に使ってよいかの切り替えをオフにしている人の扱いも同じです)。気になる方は、受ける前にプライバシーセンターのページを読んでみてください。
メモリをオンにしていると、回答がメモリに入ることがある
メモリは、Claudeが過去の会話の内容を覚えておく機能です。プライバシーセンターのページには、メモリを有効にしている場合、インタビューの回答がメモリに追加されたり、今後のClaudeとの会話を合わせるために使われたりする場合がある、と書かれています。これもセッション中の選択に応じる、とのことです。その選択がどの画面で出てくるのかは、ぼくは開始画面までしか進んでいないので分かりません。
公開しなくても、読まれて、分析されて、連絡が来ることもあります
さきほどの表のとおり、公開しないを選んでもAnthropicは内容を読みます。保存される期間の数字は、今回の説明には載っていません。回答を消したくなったときは、住んでいる地域によっては削除を求められる、とプライバシーセンターに書かれています。ちなみに、AIとの会話の履歴を消すべきかどうかは、Claude Codeのセッション履歴は削除すべきかを調べた記事でも書いています。
受ける前に、自分で決めておきたいこと
ここからはぼくの考えです。受けると決めた場合に、先に決めておくと安心なことを並べます。
- 公開するかどうかは、インタビューの最後に選ぶ。入る前に「公開しない」と決めておくと、途中の判断が楽になると思います
- 画面の注意にある8つ(名前・連絡先情報・非公開ビジネス情報・場所・勤務先・医療情報・家族の詳細・財務詳細)は話さない
- 公式ブログが挙げている年齢・職業・都市・出身校のような情報も、組み合わせると特定されやすいので、広めの話にとどめる
- 雇用主の名前や、ほかの人が見れば誰か分かるプロジェクトの話は避ける
- 公開を選ぶなら、読み返す画面で全文を読み、特定されて困る文が残っていないかを確かめる
- メモリを使っているなら、回答がメモリに入るかどうかの選択が出たときに、どうするか決めておく
- 迷ったら「今はしない」でも、途中で「インタビューを終了」でもいい
断ったら?途中でやめたら?
「今はしない」を押したあとのことは、ぼくが読んだ範囲では説明が見つかりませんでした。ポップアップがまた出るのか、開始画面まで進んで答えないまま閉じたらどうなるのかも含めて、ご存じの方がいたら教えてください。
途中でやめる場合は、はっきり書かれています。「インタビューを終了」のボタンでいつでもやめられて、途中でやめると、そこまでの記録は完全に削除され、Anthropicも含めて、分析も公開もされません。公開しないを選んでも分析はされますが、途中でやめれば分析もされないので、分析もされたくないときはこの方法です。断ったことで不利になるかどうかは、どこにも書かれていません。
前回の調査では何があったのか
このAIを使った大きな調査は、2025年12月にもありました。今回との違いを表にしました。
前回の結果では、インタビューを受けた人の67%が、AIに対して全体として前向きな気持ちを示しました。公式の報告では、期待と不安が2つの陣営に分かれるのではなく、同じ人の中に同居している、と書かれています。
公式は、今回の調査の限界も書いています。参加者はみんなClaudeを使っている人で、世の中全体の縮図ではありません。公開された分はさらに一部で、公開を選ぶ人は選ばない人と違うかもしれない、とのことです。公開されたインタビューを読むときは、そのつもりで読むのがよさそうです。
よくある質問
このポップアップは本物ですか?
ぼくの画面のポップアップと同じ内容(15分、AIが質問、公開は任意)が、Anthropicの公式ブログに載っています。ブログには参加ページへのリンクもあるので、ポップアップを押すのが不安なときは、公式ブログから進む手もあります。
誰が対象ですか?
ClaudeとClaude CodeのFree・Pro・Maxで、アカウントを作って2週間以上の人です。プライバシーセンターには、Claude for WorkやAnthropic APIのような法人向けの製品では、今は使えないと書かれています。
日本語で答えられますか?
ぼくの画面では、インタビュアーの最初の挨拶は日本語でした。日本語で答えてよいかを書いた説明は探しても出てきませんでしたが、前回の調査では70の言語で答えが集まっていたので、日本語で話しかけて大丈夫そうです。
謝礼はありますか?
謝礼の案内は、どのページにも載っていませんでした。お礼をもらう調査というより、声を届ける場と考えたほうがよさそうです。
インタビューはいつ公開されますか?
調査が終わって、最初の分析が済んだあとに、オンラインで公開される予定だと公式ブログに書かれています。日付は書かれていないので、気になる方はときどき公式ブログをのぞいてみてください。
AIの学習に使われますか?
公式の説明だけでは分かりません。詳しくは「AIの学習に使われるかどうかは、書かれていません」の項目に書きました。
まとめ:受けるか断るかは、話す内容と公開の選び方で決める
Anthropic Interviewerは、AIが15分間、AIとの体験や、AIに望むことを聞いてくれるインタビューです。受ける・受けないは自由で、途中でやめれば記録は消えて、分析も公開もされません。いちばん大きな分かれ目は「公開するか」です。公開すると、全文が誰でも読めて、保存されたら消せず、話の細かさによっては身元が特定されることがあります。
ここからはぼくの考えです。
- 広めの体験談を、公開しない前提で話すなら、リスクは「読まれる・分析される・連絡が来る」までにとどまります。受けやすいと思います
- 仕事の機密に触れる人、病気や家族のことを話したい人、住んでいる地域や仕事が珍しくて特定されやすい人は、公開は避けるか、受けないのがよさそうです
- AIの学習に使われるかどうかが気になる人は、公式がはっきり書いていないので、受ける前にプライバシーセンターのページを読んでおくと安心です
- 期間は2026年10月6日までです。急がなくても、読んでから決めて大丈夫です!
この記事の内容は、2026年9月30日時点の公式ページにもとづいています。Claudeのモデルの使い分けに興味のある方は、エフォート(Claudeにどれくらい念入りに考えさせるかを選ぶ設定です)とモデルの使い分けを整理した記事もどうぞ。
AIに入力した情報の法律面をもう少し深く知りたい人向けに、こんな本もあります。ビジネスパーソン向けの本で、商品ページには、秘密情報の漏洩や個人情報保護法違反といった法的リスクを、使う側と作る側の両方から解説すると書かれています。ぼくは読んでいません。
この記事で読んだ公式ページ
- What Do You Want from AI?(Anthropic公式ブログ・2026年9月29日)※英語サイト・自動翻訳推奨
- 2026年9月29日以降に完了したAnthropicインタビュアーセッション(Anthropic Privacy Center・日本語)
- 補足的なAnthropicインタビュアープライバシーポリシー(Anthropic Privacy Center・日本語)
- What 81,000 people want from AI(前回の調査・Anthropic公式)※英語サイト・自動翻訳推奨
- Agentic LLMs as Powerful Deanonymizers: Re-identification of Participants in the Anthropic Interviewer Dataset(arXiv)※英語サイト・自動翻訳推奨
- Large-scale online deanonymization with LLMs(arXiv)※英語サイト・自動翻訳推奨


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