我が子の成長は、二度とない一瞬の連続。その尊い瞬間を写真や動画で記録することは、親にとって何物にも代えがたい宝物です。一眼レフカメラで最高の画質を求める気持ちは山々ですが、電車の中や寝起きといった、予測不能なタイミングでシャッターチャンスは訪れます。そんなとき、いつでもポケットから取り出せるスマートフォンこそが、最高のカメラになるのです。しかし、ただ最新のハイスペックスマホを選べば良いわけではありません。ぼくは、とある最新スマホと、5年前に発売された旧機種を巡る「カメラの奥深さ」を巡る旅に出ました。これは、ぼく自身のこだわりと、最新技術の常識を覆す意外な真実についての物語です。スペックの数字だけでは決して語れない、写真一枚に込められた「哲学」と「個性」を探る、少し長くて、でもとても大切な話にお付き合いください。
スキルアップした高性能カメラと旧機種のカメラの徹底比較をしてみた
最新のスマートフォンカメラは、画素数やセンサーサイズ、AI処理能力など、あらゆる面で進化を遂げています。ぼくもその進化を信じて疑いませんでした。そこで、まずは徹底的にスペックを比較してみようと考えたんです。最新のGoogle Pixel 9 Proと、ぼくが愛用しているHUAWEI P30を並べて、その性能差を洗い出すところから始めました。数字で勝敗がつくなら、こんなにも簡単なことはありません。ぼくは、最新機種がすべてにおいて優位に立つことを証明できると、そう思っていました。この客観的な比較が、後にぼく自身の感覚を揺るがす大きな伏線になるとは、この時はまだ知る由もありませんでした。
なぜ最新スマホはスペックで圧倒的に優位に立つのか?
まずは事実として、最新スマホであるGoogle Pixel 9 Proは、5年前の旧機種であるHUAWEI P30をスペック上ではあらゆる面で凌駕しています。カメラの基本的な性能から見ていきましょう。Pixel 9 Proのメインカメラは約5,000万画素、望遠カメラは光学5倍、超広角カメラは4,800万画素と、P30の約4,000万画素メイン、光学3倍望遠、1,600万画素超広角を大きく上回っています。さらに、すべてのカメラに光学手ブレ補正(OIS)が搭載されており、よりブレの少ない安定した撮影が可能です。動画撮影も、P30の4K/30fpsに対し、Pixel 9 Proは4K/60fpsと、より滑らかな映像を記録できます。この圧倒的な数字の差は、最新の技術進化の証であり、スペックだけを見ればPixel 9 ProがP30よりも「高性能なカメラ」であることは間違いありません。
項目 | HUAWEI P30 | Google Pixel 9 Pro |
発売日(日本) | 2019年5月24日 | 2024年9月4日(※予測) |
メインカメラ | 約4,000万画素 (RYYB) f/1.8 | 約5,000万画素 (Octa PD) f/1.68 |
望遠カメラ | 約800万画素 (光学3倍) f/2.4 | 約4,800万画素 (光学5倍) f/2.8 |
超広角カメラ | 約1,600万画素 f/2.2 | 約4,800万画素 (マクロ対応) f/1.7 |
手ブレ補正 | OIS (メイン・望遠) | OIS (全カメラ) |
動画撮影 | 4K(30fps) | 4K(60fps) |
AI技術がもたらす革新的な撮影体験
Pixel 9 Proの真の強みは、そのハードウェア性能を最大限に引き出すAI(人工知能)によるソフトウェア処理にあります。Google自社開発のGoogle Tensor G4チップは、撮影された画像を瞬時に解析し、色合いや露出を自動で最適化してくれます。これにより、誰が撮っても失敗の少ない「破綻のない写真」が手に入ります。特に、デジタルズーム時にAIが画質を補完する「超解像ズーム」や、撮影後の写真から不要な被写体を簡単に消せる「編集マジック」といった機能は、旧機種にはない、最新スマホならではの体験です。これらの機能は、まさにAIが実現する次世代のカメラ体験であり、写真の撮影から編集までをシームレスに、そしてより簡単に楽しめるようにしてくれます。
旧機種のカメラに秘められた独自の技術とは
一方、HUAWEI P30もただの旧機種ではありません。発売当時、画期的な技術を搭載し、多くのユーザーを驚かせました。それが「RYYBセンサー」です。一般的なRGB(赤、緑、青)のカラーフィルターを黄色(Y)に置き換えることで、光の感度を大幅に向上させ、夜景などの暗い場所でもノイズを抑えた明るい写真を撮ることに成功しました。また、望遠カメラは「光学3倍ズーム」に対応しており、AIの補正に頼ることなく、レンズ本来の力でクリアな望遠撮影を可能にしました。これらの技術は、P30がソフトウェアだけでなく、ハードウェアの独自技術でカメラ性能を追求していた証拠です。この独自のアプローチが、今でも色あせない魅力をP30に与えているのです。
ハイスペックなカメラがなぜ、ぼくの心に響かないのか
スペック表を見れば見るほど、Google Pixel 9 Proが圧倒的に優れているという結論に達します。しかし、ぼくの実際の体験は全く逆でした。我が子を被写体として撮り続けてきた写真を見返すと、どうもP30で撮った写真の方が、ぼくの心に響くものが多いのです。一体なぜ、最新のハイスペックなカメラは、ぼくの求める写真が撮れないのでしょうか。その答えを探すため、ぼくはAIとの対話を通じて、この疑問を徹底的に掘り下げていきました。そして、たどり着いたのが「写真の味付け」という、スペックシートには決して現れない概念でした。これは、技術の優劣だけでは語れない、カメラが持つ「魂」の話なのかもしれません。
スペックには現れない「絵作り」の哲学
スペック表には決して書かれることのない「絵作り」の哲学こそが、P30の真の魅力だとぼくは思います。P30は、カメラメーカーの老舗であるLeica(ライカ)と共同開発したレンズを搭載しており、その色彩表現にはLeica独自の哲学が息づいています。これは「Leicaカラーモード」という形で、ユーザーが好みの色味を選べるようになっていました。Google Pixel 9 ProのAIが「破綻のない」完璧な色を自動で調整してくれるのに対し、P30は「鮮やかさ」や「深み」といった、人の感性に訴えかけるような「味付け」を意識的に施していたのです。この差が、写真にインスピレーションを求めるぼくの心に強く響いた理由でした。
なぜLeica(ライカ)の色彩が特別なのか?
Leicaは、100年以上の歴史を持つドイツの老舗カメラメーカーで、その写真には独特の「空気感」や「重厚感」があると、多くの写真家から愛されています。Leicaのカメラは、レンズの設計から発色まで、すべてにおいて一貫した哲学に基づいて作られており、特にコントラストが高く、陰影が美しく表現されることが特徴です。HUAWEIとLeicaの協業は、単なるブランドロゴの借用ではありませんでした。レンズの設計からソフトウェアのカラープロファイルに至るまで、両社のエンジニアが共同で開発にあたり、HUAWEIのスマートフォンにLeicaが持つ写真の哲学を注入しました。これにより、P30は単なるスマホカメラではなく、Leicaのエッセンスを感じられる特別な存在になったのです。
Leicaが築いた100年の伝説と「決定的瞬間」
Leicaの歴史は、写真の歴史そのものと言っても過言ではありません。20世紀初頭、35mmフィルムを使う小型精密カメラ「ライカ」を世に送り出し、それまで大掛かりだった写真撮影を、もっと身近でスナップなものへと変革しました。この携帯性こそが、フランスの写真家アンリ・カルティエ=ブレッソンが見出した「決定的瞬間(The Decisive Moment)」という概念を生み出す土壌となったのです。それは、構図、光、被写体の感情が完璧に調和する、二度と訪れない一瞬を捉えるという思想。Leicaのカメラは、その瞬間を逃さないための道具として、多くの報道写真家や芸術家に愛されてきました。ただ美しく写すだけでなく、その場の空気や物語まで写し込む。その哲学が、Leicaブランドの根幹を成しているのです。
HUAWEIとLeicaの蜜月が生んだ「スマホカメラ革命」
HUAWEIとLeicaの協業は、2016年の「HUAWEI P9」から始まりました。当初はブランド名の貸与だけではないかと囁かれましたが、その関係はモデルを重ねるごとに深化していきます。Leicaは自社の厳しい品質基準をHUAWEIのカメラモジュール製造に適用し、レンズの光学設計、イメージセンサーの選定、そして撮影されたデータを写真へと変換する画像処理アルゴリズムの開発にまで深く関わりました。特に、色再現性や画像のシャープネス、ノイズ処理といった「絵作り」の根幹部分に、Leicaが長年培ってきたノウハウが注ぎ込まれたのです。この蜜月関係は、スマートフォンのカメラが「記録するだけの道具」から「表現するための道具」へと進化する、大きなきっかけを作りました。
P30に宿るLeicaレンズ「Summarit-H」の魂
P30のカメラレンズには、「SUMMARIT-H 1:1.8-2.4/27-80 ASPH.」というLeicaの銘が刻まれています。「Summarit(ズマリット)」はLeicaのレンズシリーズに与えられる伝統ある名称であり、「H」はHUAWEIとの協業を意味します。このレンズがもたらすのは、スペックの数字だけでは測れない描写力です。例えば、被写体にピントを合わせた時のシャープな解像感と、そこから滑らかにボケていく背景の美しさ。これは、AIが被写体と背景を認識して擬似的に作り出す「ポートレートモード」のボケとは根本的に異なります。レンズそのものが持つ光学的な特性によって生まれる自然な立体感と空気感こそ、Leicaレンズの真骨頂であり、P30の写真に深みを与えている魂なのです。
Leicaカラーモードが示す「個性」
P30のカメラアプリには、Leicaが監修した「標準」「鮮やか」「滑らか」の3つのカラーモードが搭載されていました。これらのモードは、AIが自動で判断する画一的な「正解」とは異なり、ユーザー自身が写真の雰囲気を意図的に変えるためのツールでした。この選択肢の存在こそ、撮影者の感性を写真に反映させる余地であり、AIにすべてを任せるPixel 9 Proにはない、P30のカメラの持つ「個性」であり、ぼくが写真撮影に没入できる大きな理由だったのです。
3つのモードが織りなす多彩な表現
これらのモードは、単なる色の濃淡を変えるフィルターではありません。Leicaの絵作りの思想が反映された、それぞれに明確な意図を持つ「作品」なのです。
- 標準(Standard): Leicaの伝統的な絵作りを最も忠実に再現したモードです。過度な演出を抑え、自然な彩度とコントラストで被写体を捉えます。特に陰影の表現に優れ、光と影が織りなすドラマチックな雰囲気を引き出してくれます。ぼくが最も多用するのがこのモードで、見たままの光景に、ほんの少しの深みを加えてくれる絶妙な味付けです。
- 鮮やか(Vivid): ポジフィルム(スライドフィルム)のような、記憶に残る鮮やかな色彩を表現するモードです。空の青や木々の緑が印象的に写り、何気ない日常の風景をエモーショナルな一枚に変えてくれます。我が子の元気いっぱいの笑顔を撮るときなど、その場の楽しさを表現したいときに最適です。
- 滑らか(Smooth): コントラストと彩度を少し抑え、柔らかく優しい雰囲気を演出します。肌のトーンがなめらかに表現されるため、ポートレート撮影に向いています。寝起きのぼんやりとした表情や、穏やかな午後の光の中で遊ぶ姿など、優しい時間を切り取りたいときに、このモードが活躍してくれました。
忘れてはならない「Leicaモノクローム」の真髄
そして、Leicaを語る上で絶対に外せないのが「モノクローム」です。Leicaは、世界で初めてモノクロ撮影専用のデジタルカメラを開発したメーカーであり、その白と黒の諧調表現は芸術の域に達しています。P30に搭載されたモノクロモードも、Leicaの監修を受けた特別なものです。単に彩度をゼロにするフィルターとは全く異なり、豊かな中間調と引き締まった黒、そしてハイライトの粘りが、被写体の質感や光の美しさを際立たせます。色という情報がないからこそ、構図や光、そして被写体の表情そのものに意識が集中する。この奥深さもまた、P30が持つ大きな魅力の一つなのです。
望遠鏡のようなP30の光学3倍ズーム
P30の望遠カメラは、Pixel 9 Proの光学5倍ズームに比べれば、スペック上は劣っているように見えます。しかし、実際に我が子を遠くから撮ってみると、その描写力は驚くほどクリアで、まるで本物の望遠鏡を覗いているかのようでした。これは、デジタル処理に頼ることなく、レンズ自体で被写体を拡大する「光学ズーム」の強みが最大限に活かされている証拠です。P30の光学3倍ズームは、その控えめな数字以上に、クリアでシャープな写真を撮る実力を持っていました。日常のスナップから特別な瞬間まで、P30の望遠機能は、ぼくが愛する家族の思い出を、最高の画質で切り取ってくれたのです。
AIが導く「正解」とぼくの求める「個性」
現代のスマホカメラは、AIが導き出す「正解」を追求する傾向にあります。逆光でも白飛びせず、暗い場所でもノイズがなく、誰もが満足できるような完璧な写真。しかし、ぼくが求めていたのは、そうした完璧な写真だけではありませんでした。P30で撮った写真には、時にわずかなノイズや、AIでは再現できない独特の色合い、そしてぼく自身の感性で捉えた一瞬の美しさが宿っていました。最新機種のAIがすべてを補正してくれる時代だからこそ、この「個性」こそが、ぼくがカメラに求める最も大切な要素だったのだと気づきました。PixelのAIは最高の「アシスタント」ですが、P30のLeicaは最高の「パートナー」なのかもしれません。
最後に、HUAWEI P30とGoogle Pixel 9 Proの現物を並べてみよう

HUAWEI P30 これこれ!!↓↓↓
ここまでの議論は、すべてデータとぼくの記憶の中での話でした。しかし、ぼくが本当に両機種を持っているという、一番の証明をしていませんでしたね。そこで、ぼくの愛機たちを並べて写真を撮ってみました。この二台が並ぶ姿は、スマホカメラが歩んできた道のりと、その哲学の違いを雄弁に物語っているように感じます。
液晶側から見たGoogle Pixel 9 ProとHUAWEI P30
こちらが、Google Pixel 9 Pro(左)とHUAWEI P30(右)を液晶側から並べた写真です。

P30の特徴的な水滴型ノッチと、Pixel 9 Proのパンチホール型のフロントカメラ。画面サイズやベゼルの太さにも時代の違いが現れていますね。この写真からも、両機種のデザイン思想の違いが見て取れます。P30は手に馴染むコンパクトなサイズ感、Pixel 9 Proはより大きな画面で、最新のトレンドを意識したデザインです。このサイズ感の違いも、毎日持ち歩くスマホとして、どちらが良いかという判断に大きく影響するポイントですね。ぼくにとっては、子どもの手を引きながらでも片手で操作しやすいP30のサイズ感が、今でも大きな魅力です。
背面から見たGoogle Pixel 9 ProとHUAWEI P30
そして、こちらが背面から撮った写真です。

P30の背面には、小さく「LEICA」の刻印が。このロゴこそが、ぼくがP30を愛する一番の理由であり、スペック表では語れない価値の象徴です。一方、Pixel 9 Proは、AIの頭脳であるTensor G4チップを搭載したことを示す「G」のロゴと、特徴的なカメラバーが目を引きます。デザインの方向性は全く違いますが、どちらも非常に個性的で魅力的です。P30のオーロラカラーは、光の当たり方で表情を変え、5年経った今見ても古さを感じさせません。この美しいデザインも、所有する喜びを満たしてくれる大切な要素です。
Leicaの哲学が詰まったP30と、GoogleのAIが詰まったPixel 9 Pro
P30のカメラには、Leicaが長年培ってきた写真の哲学が、そのデザインとソフトウェアに凝縮されています。それは、光と影を巧みに操り、被写体の持つドラマを最大限に引き出すというものです。一方のPixel 9 Proは、Googleが追い求める「完璧な写真」をAIによって実現するという思想が詰まっています。この二つのスマートフォンは、単なる電子機器ではなく、それぞれのメーカーのカメラに対する哲学を体現した存在なのです。どちらが優れているかという問いに、客観的な答えはありません。大切なのは、ぼくたち自身がどの哲学に共感し、どのカメラで写真を撮ることが楽しいと感じるか、ということなのでしょう。
スペックを超えた価値を見つけるということ
今回のこの旅は、スペックがすべてではないという、当たり前だけど大切なことを再認識させてくれました。最新の技術は素晴らしいですが、それが必ずしも「最高の写真」を撮ることに直結するわけではありません。ぼくにとっての最高のカメラは、最新のAIが搭載されたハイスペックなカメラではなく、Leicaの哲学が息づくHUAWEI P30でした。子どもたちの成長という二度とない瞬間を記録するのに、最高のカメラとは、最も使いやすく、そして心に響く写真を撮ってくれる、相棒のような存在なのかもしれません。もしあなたが、スペックシートの数字だけを見てスマホを選ぼうとしているなら、ぜひ一度立ち止まって、そのカメラがどんな「哲学」を持っているのかに目を向けてみてください。そこには、きっと新しい発見があるはずですから。

HUAWEI P30 の本体はまだまだ売っているんだね!
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