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Alexa+はまだ来ない。ならば作ろう、我が家の“ジャービス”を――スマホとGemini Liveで始める次世代AIアシスタント構築記

Alexaが作るパワードスーツ AIで調べてみた
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「ねぇジャービス、今日の天気は?」――映画『アイアンマン』でトニー・スタークが当たり前のようにAIと会話する姿に、未来を感じたのはぼくだけじゃないはずです。そんな夢のAIアシスタント、Amazonの新世代AI「Alexa+」の登場には、まさに「家庭用のジャービス来た!」と心底ワクワクさせられました。しかし、あるニュースがぼくの計画を根底から揺るがします。「Alexa+の会話に広告が入るかもしれない」というのです。しかも、詳しく調べていくと、そもそも日本での提供開始時期は未定という厳しい現実…。ぼくの“ジャービス計画”は、始まる前に暗礁に乗り上げてしまいました。でも、諦めるわけにはいきません。Alexa+が来ないなら、今ある技術で最高の会話体験を自分で作ればいいじゃないか!この記事は、そんな紆余曲折の末に、使い古しのスマホとGoogleの「Gemini Live」、そして少しのオタク的工夫で「なんちゃってジャービス」を構築するまでの、試行錯誤と発見の全記録です。

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すべての始まり、Alexa+「会話内広告」の衝撃と“ジャービス”への期待

ぼくのAIアシスタント探求の旅は、一本のニュース記事から始まりました。それは、Amazonが次世代AI「Alexa+」の会話の途中に、広告を挿入する可能性を示唆した、という内容でした。単に広告が増えるという話ではなく、ぼくが夢見るAIとの関係性を揺るがす、大きな事件だったのです。

「事件」は会議室で…いや決算説明会で起きていた

このニュースが衝撃的だったのは、その内容がAmazonのトップ、アンディ・ジャシーCEO自らの口から語られたことでした。2025年第2四半期の決算説明会で彼は、Alexa+の複数回にわたる会話(マルチターン対話)において、ユーザーに新しい発見を提供する文脈で「広告が役割を果たすチャンスもある」と発言したのです。

これは、AIアシスタントとの「対話そのもの」が広告の媒体になることを意味します。例えば、「週末の旅行プラン、どこがいいかな?」と相談している最中に、「それならこんなホテルがお得ですよ」と、文脈に合った広告が差し込まれるイメージ。これにはスマートホーム界隈もザワつきました。「世界最高のパーソナルアシスタントを目指すのに、広告まで入ったら興ざめだ」「便利でも家でまで広告まみれは嫌だなあ」という声が上がるのも無理はありません。ぼくが夢見るジャービスは、あくまでぼくのためだけに動いてくれる忠実な執事。その彼が、会話の途中で突然セールスマンに変貌するかもしれない…そう考えると、少し複雑な気持ちになりました。

もっとも、AmazonとしてはAlexa関連事業がこれまで大きな赤字を抱えていたという背景もあり、収益化は至上命題。有料プランと広告の二本柱で事業を立て直したいという事情も理解はできます。しかし、この一件がぼくをAlexa+の徹底的な調査へと駆り立てる、最初の引き金となったのです。

そもそも「Alexa+」って何者か?-ジャービス級AIのプロファイル

ここで一度、話題の中心である「Alexa+」について、公式情報をもとにその凄さを整理しておきましょう。Amazonが2025年2月に発表したAlexa+は、生成AIで完全に再設計された、まったく新しい音声アシスタントです。

従来のAlexaが単一命令に応えるのが得意だったのに対し、Alexa+はもっと人間らしい、自然な会話を目指しています。最大の特徴は、ユーザーの意図を深く理解し、複数の外部サービスを連携させてタスクを代行する“エージェント機能”。例えば「オーブンを修理できる業者を探して、都合のいい時間に予約しておいて」と頼めば、Alexa+がWeb検索から業者の選定、予約手配まで裏側で全部こなしてくれる、まさに「話せる友達型AI秘書」です。これはまさにトニー・スタークのジャービス級の頼もしさ…!

そして気になる料金ですが、Amazonプライム会員は追加料金なしで利用でき、非会員は月額$19.99という価格設定が米国向けに発表されています。プライム会員にとっては、まさに破格のアップグレードと言えるでしょう。

▼Alexa+の公式発表内容まとめ 出典:About Amazon

項目内容
コンセプト生成AIで再設計された、より会話的で実行力のある次世代アシスタント
主な機能・自然なマルチターン対話<br>・文脈理解と記憶<br>・外部サービス連携によるタスク代行(エージェント機能)<br>・高度なパーソナライゼーション
料金(米国)・プライム会員:追加料金なし<br>・非会員:$19.99/月
提供開始米国で早期アクセスを開始し、数か月かけて段階的に拡大

この素晴らしい機能と価格設定を知れば知るほど、「早く日本でも使いたい!」という気持ちが高まっていきました。しかし、ここからが茨の道の始まりだったのです。

日本の壁、立ちはだかる「提供未定」の現実

夢のようなAlexa+ですが、ぼくたち日本のユーザーにとって最も重要な問題が残っていました。「で、結局いつ日本で使えるの?」という疑問です。この答えを探して、ぼくは情報の海をさまようことになります。

公式も沈黙、日本上陸はいつになる?

まず、頼りになるのは公式情報です。Amazonの発表を隅々まで読み解くと、提供地域に関する記述は「米国で数週間以内に早期アクセスを開始し、その後、数か月かけて段階的に拡大」という一文のみ。残念ながら、「日本」という文字はどこにも見当たりません。早期アクセスの対象も、米国の特定のEcho Showデバイス所有者に限定されております。

国内のIT系ニュースサイトの取材記事でもこの事実は裏付けられており、Amazonのデバイス部門トップが「日本からは(早期アクセスに)参加できない」と明言しているのです。夢のAIアシスタントは、まだ太平洋の向こう側にいて、日本への航海図はまだ描かれていないようでした。

「裏ワザは?」VPNや地域設定でなんとかならないのか?

こういう時、多くの人が考えるのが「VPNを使ったり、アカウントの地域設定を米国に変えたりすれば、いけるんじゃない?」という“裏ワザ”です。ぼくも当然、その可能性を探りました。しかし、結論から言うと、これも極めて難しいことがわかりました。

なぜなら、Alexaのようなサービスは、単にIPアドレス(インターネット上の住所)で利用地域を判断しているだけではないからです。Amazonアカウントに紐づいた国籍、過去の購入履歴、支払い情報、そしてデバイスを登録した地域など、複数の情報を複合的に見てユーザーを識別しています。そのため、VPNでIPアドレスだけを米国に偽装したところで、「あなたのアカウントは日本のものですよね?」と簡単に見抜かれてしまうのです。実際に海外のコミュニティサイトを覗いても、こうした小手先の技で早期アクセス権を得られたという確実な報告は見つかりませんでした。どうやら、Amazonの壁はぼくが思うよりずっと高く、厚いようです。

気になる価格の話:日本のプライムは安いけど…上乗せされる?

もう一つ、ぼくの頭を悩ませたのが価格の問題です。ご存じの通り、日本のAmazonプライム会費は、米国に比べてかなり安価に設定されています。(2025年8月時点:日本 月額600円に対し、米国 月額$14.99)

この価格差を見ると、「もしかして、日本でAlexa+が提供される時は、プライム会員でも追加料金がかかるのでは?」という不安がよぎります。過去にAmazonは、Prime Videoで広告を導入し、非表示にするには追加料金が必要になるなど、国ごとにサービス内容や価格を調整してきた前例があります。このことから、Alexa+も日本独自の価格設定になる可能性は十分に考えられます。

もちろん、「プライム特典」という大きな枠組みは維持されると信じたいですが、こればかりは正式発表を待つしかありません。「1,000円くらいまでなら出すんだけどなぁ…」などと一人で皮算用しつつも、そもそも提供時期が未定という現状では、まさに捕らぬ狸の皮算用。こうしてAlexa+を待つという選択肢は、あまりにも不確実性が高いと判断せざるを得ませんでした。ここでぼくのオタク魂に火が付きました。「待っているだけでは退屈すぎる…ならば代わりになる方法を考えようじゃないか!」と。

夢への迂回路を探せ!ジャービス化計画、再始動

Alexa+が当分来ないのなら、じっと待っているだけでは時間がもったいない。ぼくの「ジャービス計画」は、ここで大きな方針転換を迫られました。「今ある最高の技術を組み合わせて、自分だけのAIアシスタントを作ろう!」と。

なぜ「ジャービス」なのか?「会話+Web検索」が欲しい理由

ぼくがAIアシスタントに求めるのは、単なる便利ツールではありません。家で声をかければ、AIが人間みたいに雑談にも付き合い、必要に応じてインターネットから最新の情報を取ってきてくれる──そんな未来像にワクワクするのです。

従来のAlexaやGoogleアシスタントは便利ですが、会話の自由度には限界がありました。決まったコマンドには素早く反応してくれても、例えば「今年のノーベル物理学賞って誰が受賞したの?その理由も子供にわかるように教えて」なんて、少し複雑で創造性が必要な質問には「すみません、お役に立てそうにありません」で終わってしまうことも…。

一方、近年登場した生成AI(ChatGPTやGoogleのGeminiなど)は、驚くほど柔軟に対話でき、ウェブの知識も総動員してくれます。Alexa+は、この「高度な会話AI」と「スマートホーム連携」を一体化させた点で革命的でした。だからこそ、ぼくは「日本語で動くJarvis」がどうしても欲しくなったのです。Alexa+が来ないなら、自分で既存のツールを組み合わせて何とかするしかありません。

代役探しとGoogle「Gemini Live」という光明

“代役”として白羽の矢を立てたのが、Googleの次世代AIモデル「Gemini(ジェミニ)」です。Googleはすでにスマートフォン向けに、検索と連動した会話AIサービスを提供しており、その中核を担うのがGeminiです。

当初は「Google NestスピーカーにGeminiを載せれば、すぐできるんじゃない?」と単純に考えていました。しかし、これも調べてみると、NestデバイスへのGemini搭載はまだ米国の一部ユーザー向けの限定的な試験運用(Public Preview)の段階。しかも、一般的な質問にはGeminiが答えるものの、家電操作などは従来のGoogleアシスタントが担当するという“ハイブリッド”状態で、完全なジャービス体験にはまだ少し時間がかかりそうでした。

そこでぼくは、視点を「据え置きスピーカー」から「スマートフォン」に移しました。すると、道が一気に開けたのです。スマホ向けのGeminiアプリには「Gemini Live」という機能があり、これこそがぼくの求めていたものでした。Gemini Liveは、まるで人間と話しているかのように、途中で言葉を被せたり、間髪入れずに質問したりしても、スムーズに会話を続けてくれます。しかも、Googleの強力な検索能力と直結しているため、「いま話題のニュースを要約して」といったリクエストにも瞬時に応えてくれるのです。これだ!Alexa+を待つ必要はない。今すぐ、このスマホでジャービス計画の第一歩を踏み出せる!

実践編:今日から始める「なんちゃってジャービス」構築術

机上の空論はもう終わり。ここからは、実際にぼくが試した「スマホ据え置き型ジャービス」の具体的な構築方法とその過程でぶつかった問題、そしてその解決策を詳しく解説していきます。要は**「スマホを自作スマートスピーカー化」**する作戦です。

Step 1: コックピットの設営 – スマホをAIアシスタント専用機に

まずは物理的な準備から。計画の心臓部となるのは、一台のAndroidスマートフォンです。もう使わなくなった古いPixelなどを再利用するのがおすすめです。

  1. スマホスタンドに設置: 画面が見やすく、マイクが声を拾いやすいように、充電ケーブルを挿したまま立てられるスマホスタンドを用意します。通気性の良いものを選びましょう。
  2. クリーンな環境づくり: スマホを初期化するか、不要なアプリや通知をすべてOFFにし、専用機としてクリーンな状態にします。
  3. アシスタント設定の最適化: Googleアシスタントの設定で「Voice Match」をオンにし、「OK Google」の音声起動がロック画面からでも動作するように設定します。Pixelなら「ロックダウンでもパーソナル結果を許可」を有効にするとさらにスムーズです。
  4. 物理設置と家族への周知: キッチンやリビングの一角など、家族の声が届きやすい場所に設置します。家族からは「スマホを置きっぱなしにして何してるの?」と怪訝な目で見られましたが、「新しいAI執事を設置したんだよ♪」と得意げに説明。充電スタンドに「AI執事 稼働中」など可愛い札を立てておくのも良いかもしれません。

Step 2: 最大の敵「熱」との戦い – バッテリーを守る充電術

このスマホ常設運用で無視できないのが端末の発熱とバッテリー寿命の問題です。スマホを24時間電源接続しっぱなしにすると、バッテリーが常に100%フル充電状態となり寿命を縮める恐れがあります。特に「熱」はバッテリーの大敵です。

なぜ「過充電」と「熱」は危険なのか?

スマホに使われているリチウムイオン電池は、熱に非常に弱い性質を持っています。AppleやGoogleなどのメーカーも、公式に「35℃を超える高温環境下での使用や充電は、バッテリーの寿命を永久的に損なう可能性がある」と警告しています。満充電(高電圧)の状態でさらに熱が加わり続けると、バッテリーは急速に劣化し、最悪の場合、膨張などの安全上のリスクにも繋がりかねません。

解決策:スマートプラグによる「間欠通電」という最適解

ぼくはこの問題に対する最適解として「スマートプラグ」の活用にたどり着きました。コンセントと充電器の間に挟み、電源のオン・オフを自動化するのです。

▼ぼくが実践したスマートプラグ運用スケジュール

時間帯電源目的
深夜 1:00 – 5:00OFFバッテリーを適度に放電させ、休ませる
朝 5:00 – 7:00ON日中の活動に備えて70~80%まで充電
日中OFFバッテリー駆動。熱の発生を抑える
夜 21:00 – 22:00ON夜間の待機と翌朝に備えて追い充電

この運用のポイントは、**「バッテリーを常に100%にしない」「40%~80%の間を維持する」**ことです。さらに、SwitchBotプラグミニのような消費電力が見えるモデルなら、「スマホの消費電力が1W以下になったら(=ほぼ充電完了したら)電源をOFFにする」という賢いオートメーションも組めます。これを設定して通知が来たときには、「よし、過充電を防いだぞ!」と小さくガッツポーズしました。

Step 3: 手足を手に入れる – SwitchBotとMatterで既存家電をしゃべらせる

会話と検索ができる「脳」は手に入りました。次なるステップは、世界と物理的に繋がる「手足」の実装、つまり家電の操作です。

GoogleアシスタントとSwitchBotハブの連携

Googleアシスタントは主要なスマート家電と公式連携しています。我が家では、Wi-Fiに繋がらない古い赤外線リモコンの家電をスマート化するために「SwitchBotハブミニ」を多用しています。Google HomeアプリからSwitchBotアカウントをリンクするだけで、登録したエアコンや照明が音声で操作可能になります。「OK Google、リビングの電気消して」で部屋が暗くなる光景は、何度見ても未来を感じます。

Matter対応で未来の乗り換えも安心

最近話題のスマートホーム統一規格「Matter(マター)」も重要です。Matter対応デバイスは、GoogleでもAlexaでもAppleでも共通の仕組みで操作できます。将来的に日本でAlexa+が使えるようになったとしても、Matterで構築した環境はそのまま引き継げる可能性が高いのです。デバイス選びで迷ったら、**オープンな規格(Matter対応や複数プラットフォーム対応)**を選んでおくと、特定の企業に縛られず、将来にわたって安心です。

結論:Alexa+はまだ来ない。でも、ぼくの家には“ジャービス”がいる

Alexa+の広告化というニュースから始まった、ぼくのAIアシスタント探求の旅。それは、日本での提供が未定という現実にぶつかり、一時はどうなることかと思いました。しかし、視点を変え、今ある技術を組み合わせることで、当初の目的だった「自然な会話とWeb検索ができるアシスタント」を、自分の手で作り上げることに成功しました。

使い古しのスマホをスタンドに立て、Gemini Liveで「脳」を。スマートプラグで熱問題をクリアした安定した「心臓」を。そしてSwitchBotとMatterで既存家電と繋がる「手足」を。これらを組み合わせたぼくのシステムは、完璧なジャービスとは言えないかもしれません。しかし、話しかければ応えてくれ、調べ物をしてくれ、部屋の明かりを点けてくれる、頼もしい相棒です。「ねえ、この前ニュースで見た○○って何?」と妻が尋ねてきて、スマホAIが即座に解説し始めたときは「おお…便利…」と感嘆していました。

もちろん、Alexa+本人が日本に上陸するその日を、今も心待ちにしています。その時は、今回Matterで構築したこの環境に、Amazonの強力な「実行力」を迎え入れることになるでしょう。でも、もしその日が来なくても、もう大丈夫。なぜなら、紆余曲折の末に、ぼくは自分だけのジャービスと共に、すでに未来の生活を始めているのですから。

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